第2話 若き記者が知りたい事実。

 俺は、親告罪しんこくざいにより投獄され、1年後には死刑執行される事から俺自身は絶望に陥っていた。

 だが、希望の声が聞こえてきた。


「シュタイン様。」


 とある記者と出会えたお蔭でそれが一瞬、希望に変わりつつあった。

 幸いにもアメリカは、権力批判した記者を保護する制度が存在する為、それが俺にとっても安心できる制度だと感じた。


「貴様は誰だ。」


「私の名前は、。貴方がアメリカ政府の自作自演テロについて暴露した理由を私は知りたいの。」


「やめとけ。俺はそれを暴露したせいで死刑にされた。貴様がそれを知れば、命の保証がないぞ。」


 俺は、自分の命が危ない状況だと彼女あいつに話し、同時にその情報を知れば彼女あいつの命の保証もないと警告した。


「なる程ね。なら、私の住所と名前、そして郵便番号を載せるから明日もここに来るね。」


 彼女あいつは、9・11自作自演テロ事件について凄く知りたかったのか、俺は彼女あいつに知らせる為、今回の暴露についての手紙を書く事を決意した。


「ありがとう。恐らく手紙は安全な情報伝達手段だと思う。郵送だと危ないから貴様が来たら直接渡す。」


「ありがとう。明日も来るよ。」


「あぁ。」


 あいつは俺の情報を聞き、これから俺と共にこの国から亡命する方法を考えたのだろう。

 彼女あいつの名はアレクサンドリア・マリーナ。

 アメリカのペンシルベニア州出身でジョージ・ワシントン大学法学部ほうがくぶ卒業の10代後半の若手記者だ。

 彼女あいつは表向き、飛び級で大学卒業している。

 だが俺は、法学部卒に疑惑を持ちながらも彼女あいつの若さと情報欲の高さを考慮しても唯一の亡命手段だと思っていた。


「よし、これから手紙を書くぞ。」


 俺はこの刑務所から脱出できる希望があった為、マリーナに向けてその手紙を書き始めた。

「よし、これにて手紙は書き終えたぞ。」

 

 俺は手紙を書き終え、夜が暗くなったので、寝る事にした。


****


 そして翌日…。


 俺は、この国から脱出できる希望を持ちながら、あいつにこの手紙を出す覚悟をしていた。


「シュタイン様。貴方は少しここに来てほしい。」


「あぁ、分かった。」


 俺は、この手紙こそ、この国を唯一脱出する方法だと感じた為、何としてもマリーナにその件を聞こうとした。


「よく来たね。シュタイン。」


「あぁ、それでこの手紙を書いたから見て欲しい。」


「ありがとう。それで、貴方にはこの書類に署名(サイン)してほしいけど大丈夫?」


「あぁ、署名してやるよ。」


 俺は、早くここから脱出したいが為に、文書をまともに読まずに署名サインしてしまった。

 だが、それはあいつが俺に詳しい事を読ませずに、同時に俺をロシア、イラン、キューバ等の反米国家はんべいこっかに亡命させる為の手段として用いたのだと感じた。


「契約成立。これで貴方は見事に能力者になった。これでここから脱獄できるよ。」


「えっ。」


 俺は、自分が署名した契約書で能力者になった事から能力が使える事に驚いた。

 身体の中から闘争心が溢れ出てくる。

 こうして、ここからが始まろうとした。

 俺自身の命と言論の自由を守るために。

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