ブラックガヴァメント(暗黒国家)

ЕСБの革命

アメリカ亡命編

第1話 不自由の国に投獄された男

 今から半年前の2001年9月11日。アメリカ、ニューヨークで発生した同時多発テロ事件ドウジタハツテロジケン

 その時、ニューヨークにあったWTCワールドトレードセンタービルが飛行機に突っ込まれ、火災が発生していると様子を俺は見た。


「WTCが見事に燃えている。これはどう見てもテロだ。」


 俺は、WTCが燃えている様を見てテロだと判断した。だが、幾つかの不審点も存在した。


「しかし、WTCが簡単に倒壊するとは俺は到底思えないんだ。」


 あのビルの構造からそう簡単に倒壊しない事を知っていた俺は多くの人間を救えると信じていた。

 だが、次の光景を目の当たりにした事により、状況が一変する。


「嘘。WTCが崩壊しただと。普通、あり得ない筈なのに何故、崩壊するのだ。」


 倒壊する筈のないWTCが倒壊していく様を見た俺は、あまりの早さと衝撃さに愕然とした。

 だが、これから起こるを、この頃の俺はまだ知らなかった。


********

ーそれから半年後…。


 愛国者法あいこくしゃほうが制定され、自由の国から一変、9・11テロ事件を追及すると記者や諜報員スパイ、更には


「ほら、シュタインさんよ。アンタ、よくも同時多発テロ事件について追及しやがったな。」


「看守よ。貴様こそ、WTC倒壊に小型放射能こがたほうしゃのうが使用された事に気付いてなかろう。」


「シュタインさんよ。悪足掻きわるあがきは今の内だ。お前はこれから1年後、薬殺刑やくさつけいの施行が確定した。残念だったな。」


「ふふっ。米政府アメリカせいふが俺を処刑するなら、貴様等は真実を知らぬ内に一生を終えるだろうな。」


「ふざけるな。シュタイン。」


 俺の名前はエンデル・シュタイン。9・11事件について追及した為、愛国者法により投獄された男だ。

 どうやら看守は、俺を反逆者が集まる刑務所に投獄された。生憎、看守は俺の部屋から去ったが。


「くそ。俺は真実を語っただけなのに、何で投獄され死刑にされるんだよ。」


 俺は、同時多発テロ事件の真実を暴露しただけで投獄され、死刑囚にされた事に納得できない。

 たかだか、飛行機が突っ込んだだけで倒壊する筈のないWTCが倒壊する事は俺から言わせれば異常だと思っているからだ。その一部を告発した元IWC職員の俺がどうして投獄されるのか意味不明だ。

「なんで、俺が真実を語っただけでこの様な悲劇に巻き込まれるんだよ。」

 同時多発テロ事件以降からこの国から自由の国が消え去った。更に国民を監視するブラック国家アメリカへと変貌する状況に俺はどうしても納得できなかった。


「だが、ここで落ち込んで等いられない。俺はこの国からモスクワ、テヘランなどの反米国家に亡命して、同時多発テロ事件の真実を世界中に暴露してやる。」


 俺が生き延びる為、同時多発テロ事件やアメリカ政府の事実を暴露する為、俺は亡命する事を決意した。


「エンゲル・シュタイン様。貴方に興味がある記者がお出迎えしていますよ。」


「了解。これからそこへ向かう。」


 俺は、これからテロ事件の真実を暴露する為、その記者の元へ向かう事にした。例え、俺の死期が近づいたとしても…。


「貴方は…。」


「シュタイン様。」


 俺は、その記者の姿勢を見て驚くどころか寧ろ感心した。それに俺が実行した9・11自作自演テロの内部告発を肯定している…。

 そして、俺はこの自由を失ったアメリカから亡命する事を決意し、これから世界を変える戦いが始まろうとした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る