第58話 パンテオン・モンドの自作自演。

 俺達はジョンソン亡き後にIWCの連中を倒す為に議論している。


「シュタイン。お前はこれからどうやってIWCが仕掛けるイラク戦争計画を止めるんだ。」


 典紀さん、俺はIWCが仕掛けるイラク戦争を止める方法はIWCにとって非常に不利な情報を漏らせば簡単だと思っている。

 しかし…、それにはIWCやMA07、そしてBNDなどの西側諸国の諜報機関内部に潜入せねばならぬ。

 しかし、安易に潜入すればドロテア達が要る為、俺たちが簡単に殺される危険性が非常に高い。


「典紀さん。俺はIWC内部やBNDなどに潜入すればなんとか、情報を奪えると思っている。しかし、安易に潜入すればドロテア達の反撃によって俺たちが簡単に殺される危険性が高い。」


 俺はそれしか言えなかった。


「そうか。でも内部に潜入する事は凄く大きいと思う。だが、IWCやBND、MA7などは実力者が多く、厳重な機密を作られている。どうすれば良いのか考えよう。」


 典紀さん。これらの諜報機関がダメなら他に潜入しやすい諜報機関は何処なのか考えなければならないな。


「シュタイン君。」


「マリーナ。貴様、どうした。」


「実は、私がフランスからロシアに亡命する前にある事件が起きたの?」


 マリーナ。つまり、その事件とは何なのか俺は知りたい。

 それを知れば形成逆転は大いにあり得ると思うから…。


「私がフランスからここに来る前にある事件が起きたんだ。」


「姉ちゃん。僕も知っているよ。それがフランス最大の新聞社のパンテオン・モンド

銃撃事件なんだよ。シュタイン君。」


「あぁ、俺はIWC時代にパンテオン・モンド銃撃事件の話を聞いたことがある。」


 俺は知っている。パンテオン・モンド銃撃事件はイスラム過激派に扮したアメリカ政府による自作自演だとはっきりと浮かび上がる。

 何故なら、イスラム過激派の多くはアメリカ政府から支援されて中東でテロ行為を多く繰り返しているのだから…。

 何故なら、こういったテロ組織は金がないと動けないからアメリカ政府や軍産複合体を介して金を介さなければイスラム過激派を長引かせることが不可能だからな。

 更にフランスは警備が甘く、強い諜報機関の話を聞いたことがないから、警備をかいくぐれば簡単にテロを起こせる。

 更に、フランス警察は身内に凄く甘い事からテロ事件の自作自演に対しては凄く容易に行えることがはっきりしてくる。

 そう考えると、欧州だとフランスで自作自演テロを引き起こす事が容易になる。

 だからパンテオン・モンドの銃撃事件を起こせば、簡単にフランスやアメリカで戦争機運が強まるのは当然だ。


「つまり、パンテオン・モンド事件からもフランスの警察は警備が甘く、何も出来ない。更に身内にも甘い構造が原因で自作自演テロを極めて引き起こしやすい構図が簡単に出る訳だな。」


「そういう事だ。シュタイン。」


「シュタイン君。君の彗眼けいがん的心理は凄いな。」


「あぁ、俺はIWC時代に西側の諜報機関ちょうほうきかんの裏情報を知っていた上に幹部候補として有名だったからな。」


 俺はIWC時代に彼らの裏情報を介する事でこういった自作自演テロをどれだけ防げるのか考えたら、何か罪悪感を持ちたくなってきた。

 防げない事も多いが、それでも事故を最小限に抑えられるならば、俺はじっくりと考える必要があると考える。

 だからこそ、俺はIWC時代の裏情報がどれだけ奴らに脅威になるかはっきりとしてきた。

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