第104話 帝政会の存在意義。

 長州藩や徳田幕府は武力で社会を統制し、自分より優れた人間を迫害する事で成り立っていたやり方だったのでその反動は非常に大きかった。


 徳田幕府は200年以上の平和を築いた訳だが、政治基盤は決して強くなく優れた人間が1人でもいれば簡単に潰れてもおかしくない幕府だった。

 更に彼は卑怯者で自分にやられると嫌がる癖に部下にそれを強制した訳だから、これがパワハラやブラック企業の根源となるのは当然だ。


 現に徳田幕府のやり方をそのままやれば人間を人間と思わず、道具として扱うような姿勢になるのでブラック企業になるのは必然の事である。

 同時にアメリカ企業や黒人の奴隷制はこれをやった事でアメリカを覇権国家にまで成長した事を考えると非常に危険だと感じた。


「つまり、緒川先生。徳田幕府のやり方をそのまま実践すると人間を道具として見れないから結果的に劣悪な労働を生み出すからだろ。」


「あぁ、その通りだ。徳田幕府のやり方は興和会やアメリカの政治とよく似ている。」


「アメリカと興和会、そして徳田幕府は似ていると…。」


 俺はアメリカがもし徳田幕府の政治を参考にしたとすれば紛れもなく、徳田幕府と英米の関係なくしてはなりたたなかった。

 だから、アメリカは徳田幕府を崇拝し、アメリカの為の政治を行う事でアメリカの覇権国家を目指していた。


 当然、徳田幕府の背後には当時の英国とオランダなどのプロテスタント右派があってこそ出来た幕府に過ぎないのだ。


「そう、興和会のアメリカ追従は、徳田家の命令至上主義が根幹にあるから、戦争屋の利権に溺れてしまう。」


「戦争屋利権…。」


 俺は戦争屋利権がある事は既に9・11自作自演テロの件で既に知っている。

 その軍産複合体が海外での侵略戦争を招き、世界中に不幸を招いたのは事実だ。

 更に俺はそれを暴露したら反逆罪として投獄された経緯から奴らを信用できない。


 故に俺と緒川先生はひょっとしたら話があると思うのは国民の為の政治が関係していると思った。


「あぁ、興和会は徳田家とプロテスタント右派などが作った戦争屋を守る事で強大化してきた派閥だ。だから格差を広げ、社会を崩壊させ、戦争世論を誘発してきた。その事を覚えておくと良いよ。」


「了解。それが事実だとすればそれは非常に危ないと俺は思うな。」


「その通りだな。シュタイン君。君は典紀さんの路線を継承しているから凄く良い目をしているぞ。」


「ありがとう。緒川先生。」


 俺は緒川先生に褒められた事を考えると彼が如何に偉大で安心出来る存在だと感じた。


「そして、北条早雲や織田信長は庶民の為に尽くし、必要な部分に金を回した。大久保利通は独裁ながらも理知的に動いた事は凄く評価できた。」


「その気だよ。シュタイン君。君の顔は凄く良い目をしていて凄く理知的だよ。僕と典紀さんが見込んだ人間だ。だからアメリカを倒そう。」


「あぁ、その気だよ。」


 俺は緒川先生に褒められ、典紀さんに評価された事は確かに凄いなと感じた。


 しかし、それだけでは渡部真三わたべ しんぞうを倒す事が出来ない。


 何故なら、渡部真三わたべ しんぞうは元岸主層の息子だとすれば俺を本気で殺しに来るのだと感じた。

 それに長州藩は元々、会津藩と同じく、三河藩傘下の藩でこれらの地域にはプロテスタント右派が総じて強い傾向にある事は事前に分かっていた。

 そして三河人気質は日本を欧米支配層に支配させる為の奴隷ツールとして使われるなら、この気質は非常に危険な気質だと感じた。


 興和会…。


 これが徳田幕府の政治を基盤としているなら、帝政会は庶民の為、国民の為、そして理知的に動く事を忘れずに動けば彼らは確実に恐怖を抱くと感じた。

 情で動けば、警戒されるが、知で相手を攻めれば確実に彼らは恐怖するのは間違いないとはっきりした。

 だからこそ、国民の為の政治などを進めるのは帝政会の政治姿勢だと思うとこれは確実に必要な思想と感じた。

 だからこそ、俺は知でイラク戦争を阻止して見せる。

 その為にも理知で動き、相手を動揺させる戦術を取るべきだと俺は思った。

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