第121話 奴らはWMA資金を何故、狙う?

 典紀さんやチェノフスキー大統領の意向により、これから天皇陛下や緒川二郎先生から授かったWMA資金を防衛する戦いが始まり、俺達は本気でWMA資金を狙ってくる事は避けられなかった。

 奴らがWMA資金を狙うのは戦争を起こすのが目的だからだ。


 それで俺は典紀さんと確認していた。


「典紀さん。俺は確かにロックチャイルドを倒す事が出来たが、奴らが仮に生きていら確実に狙ってくると思うがどうだろうか?」


「ああ、ロックチャイルドが生きていたら確かにWMAを狙ってくる可能性が高いな。しかし、死んでいても彼らにWMA資金の情報が漏らされる可能性も非常に高い。だから油断は出来ないぞ。」


「そうだな。」


 俺は彼が仮に死んでも油断できないと分かった以上、これから本当にWMA資金を巡る戦いが本格的に起こるのはまず、避けられないと感じた。

 想定外の行動は一切、通じないと。

 そう思いながら、俺はこれから本気でIWC連中を討伐する準備を始めた。

 恐らく、奴らは事前の情報を入れるなんてありえないから余計に…。


「典紀さん。俺はWMA確認にクレムリンへ行ってくるから。」


「ああ、君とジェロディで定期的にWMA資金の状態を確認させて貰いたい。この資金は非常に重要だからね。」


「了解。」


 俺は『カラプソフミーラ』の中でもWMA資金を守る万人に選ばれた以上、典紀さんやジェロディさんと共に本当にWMA資金をIWCの魔の手から守らねばならないと理解し、これを守護するのが俺の使命だと感じた。

**********

 それからクレムリンに突入した俺とジェロディはこれからWMA資金の保管状況を確認した。


「どうやら、WMA資金は無事みたいだね。」


「その通りだ。しかし、WMA資金はいつIWC連中が狙われるのか分からない。そして、WMA資金は奴らが狙う事を考えると非常に安心出来るとは思えないね。」


「あぁ、その通りだな。」


 俺はWMA資金が狙われている状況を見ると奴らがいつ、この資金を狙う可能性があるのか不安感があった。


 しかし、俺はWMA資金を考えると別の不安も存在した。


「で、WMA資金を狙う事は緒川二郎先生や天皇陛下を狙う可能性がある事だろ。」


「その通りだ。お前の予告が合っているなら、奴はWMA資金を持っている天皇陛下を狙ってくることは避けられない。だから、WMA資金を防ぐ為に何か方策を考えねばならなんだ。」


 WMA資金が目的なら天皇を狙ってくるのは当然だ。

 だから、緒川二郎先生にWMA資金や天皇陛下の防衛が非常に優先だと感じたが、今の俺では出来なかった。


「防ぐ方策か。貴様の意見に俺も賛同する。」


「あぁ、その通りだな。」


 俺はジェロディの意見に賛同し、これから防ぐ方法を考えねばならないと感じた。


 すると…、


「おや。ジェロディ君とシュタイン君で何を考えているのかい?」


「チェノフスキー大統領殿。おはようございます。」


「こちらこそ、おはようございます。で、要件は…、」


「要件は、WMA資金を連中の魔の手からどうやって防ぐ方法を考えていた処です。」


「そっか。で、WMA資金を守る方法があるのか考えたらどうだ。」


「そうですね。ここに下手にいても又、IWCの連中に狙われるかもしれないし、連中はその資金を狙って襲撃してくる可能性も無きにしも非ずだから要警戒せんといかん。」


「そうか。なら、ここをさっさと出た方が良いぞ。ここに人がいると別室のカメラで人の居場所が特定されるから、さっさと去った方が良い。」


「了解です。ジェロディ。ここから出ようか。」


「あぁ、その通りだな。」


 俺とジェロディはチェノフスキー大統領の指令で彼と共にこの部屋から去り、俺達3人はクレムリンのVIP室に戻って話し合いを始めた。

*************

「チェノフスキー大統領。WMA資金は奴らが狙ってくる事は、間違いなく緒川二郎先生や天皇陛下を狙ってくる可能性がある気がするがどうかいな。」


「あぁ、そこを防衛せねばならないな。とにかく、WMA資金を狙う勢力を大量逮捕させないとね。」


 俺はこの話を聞いて連中の大量逮捕が優先だと理解した。

 でないと、俺達が殺される恐れがあるし、WMAや天皇陛下を狙ってくることは間違いないから。

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