第90話 幻術封じが功を奏し。
僕は彼女の弱点が、幻術を使えない事を理解していた。
それだけ彼女の能力は幻術を使用させる事を前提に動かす能力だと分かっていたからだ。
「幻術が使えなければ終わりだな。ユンケラ首相。」
僕は彼女が幻想を利用できなければ簡単に圧殺できると思っていた。
…我が銃殺兵器『Пламенный луч』で追い詰められるだろうか?
僕は彼女をこれで追い詰められると思いながら、ユンメラの頭部に目掛けて攻撃した。
「何だ。そんな兵器では私を殺す事は不可能だ。」
「どうかな。」
僕は『Пламенный луч』は直ぐに効果あるとは思っていない。
だが、これは光線を浴びた部分か暫くして引火する能力だと彼女が知ったらどうなるか俺は解っていた。
だからこそ、発動して暫くすると彼女は凄くパニックになると僕は思っていた。
「そんなんじゃ私には効かないんだよ。」
…だが、一度でも煙がついてしまえば消える事なく引火が始まる。
僕はそう思いながら、これから彼女の頭部に煙が出るのを見計らって発射を終わらせようとした。
そして、彼女の頭部から煙が始めてきた。
故にこれ以上やると彼女にバレる事を理解しているので発射を終え、武器を下した。
「何だよ。アンタの能力は何も意味がないと思うだろうが。」
遅い、彼女は何も気付いていない。
気付いた時には既に遅しだが、それで一気に彼女は追い詰められると思っていた。
「さようなら…。ユンケラ首相。」
「どういう事だ…。」
もう、遅いんだよ。ユンケラ首相。君の頭から既に引火が始まっているんだよ。
「何か頭が熱いけど、気のせいだよね。」
「気のせい…。それは君の頭が見えないからそう思っているだけだよ。」
「何を言っている。」
遅いんだよ。君の頭は既に引火している。
そして髪は炭素と酸素が含まれているので燃えやすい構造をしている。
だから、引火が始まれば、一気燃え上がると思った法が良いぞ。
ユンケラ首相。
********
そして俺はユンケラ首相とゲオルグが戦っている間に必要な資料を揃え、これからいつでも脱出できる準備を整えた。
…ゲオルグ。無事でいてくれ。
俺はそう思いながらゲオルグの元へ戻っていった。
*********
そして彼女の頭部が引火した事を判断した時、俺はこれから一気にシュタインと共に脱出する準備を整えた。
ここから脱出できる準備が整えば俺達は確実に勝利へ導ける。
そう分かっていれば、後はこの危険なバイエルンから脱出するだけだと僕は感じた。
観念しろ、ユンケラ首相。
お前の命はこれで終わりだと思ってしまいえば良い。
「嘘。何で髪が燃えているの。」
「さぁな、それは君自身が考えて行動してもらわないと困る。だって僕が教えたら対策が分かっちゃうからな。」
「まさか、あの弱い光線銃を頭に当てていたことは事実なの…。」
「あぁ、事実だよ。でも貴様はそれに気づけなかった愚か者には変わらないけどな。」
「嘘だろ…。」
「嘘じゃないよ。でも、君に消し方を教える訳にはいかないからな。だから地獄の焼き窯の中に入っている様に苦しむが良いよ。」
もう遅いんだよ。
幾ら貴様が悪足掻きしても僕が発動した銃は改造を除き能力発動と無関係だよ。
それ故に貴様はそれに気づかなかった事で命運が尽きた。
さぁ、彼女の命運が尽きたから、僕はシュタインと合流しますか。
***********
俺は必要以上の資料を集めた事でこれからゲオルグと合流して脱出する準備を整えていた。
「シュタイン。ユンケラ首相が倒れた。ここから脱出しよう。」
「あぁ、貴様が無事で何よりだ。これから脱出する準備を整えよう。」
俺とゲオルグはこのビルから離れる事にした。
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