ブラックガヴァメント(暗黒国家)

第91話 Бавария рухнула(バイエルン崩壊。)

　俺とゲオルグはユンケラ首相を倒し、資料を一部奪取した後、この製薬会社バイエルンから早く奪取するしかなかった。

「Где выхлди? Георг（出口は何処だ?ゲオルグ。）.」

「シュタイン。出口は、既に火災が酷い。なら、ここから飛び降りるしかないな。」

「どうやらそのようだな。このバイエルンタワーが9・11の時のWTCみたいに美しく崩壊するのを待てば俺たちは確実に殺されるだろうな。だから…、」

「だからこそ、君の能力で着地を和らげるんだ。」

「そうだな。俺はこんなところで死ぬ訳にはいかねぇんだよ。」

　俺はこの状況下で乗り切るには俺の風の能力で着地をやわらげるしかないと感じた。

　だから…、

「Этот из выхить（ここから脱出したいがため、） для я вернусь хивым. （俺は生きて帰る。） И прекрате показывать（そして奴らの野望を） свой амбиций. 《俺は阻止して見せる。》 黑龍和白龍（ヘイロンへパイロン）。」

　俺がロシア語と中国語を練り合わせた言葉を巧みに使用し、これで脱出できる契約能力を発動できると思った。

「よし、僕は既に脱出する準備をした。後は、君が能力を使って僕と君の能力を和らげばそれで十分だ。」

「あぁ、当然だ。だったら、こんな屑みたいな製薬ブラック企業から脱出して見せるぞ。」

　俺はこのままここにいれば崩落に巻き込まれるだけでなく俺たちを殺す社員も出てくるだろうと思ったからここで一気に脱出すると決意した。

「行くぞ。ゲオルグ。」

「あぁ、そうだな。」

　俺とゲオルグはそのまま、ブラック製薬企業バイエルンから脱出し、一気に外の世界に脱出に成功した。

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「よし、俺はこれでようやくたどり着いたぞ。」

「ああ、君のお陰で速度がつかずに移動できたからこれで僕は助かった。」

「そうか。」

　後は、これからドイツを脱出し、モスクワへ戻った後、この資料をФСБや典紀さん達に見せようとしていた。

「なら、戻るぞ。」

　と、俺はドイツを去る準備をした。

　するとその時…、

「ぐおぉ。」

「どうした。シュタイン。」

　何だ。この心臓の鼓動。

　まさか、契約違反でも俺は犯したのだろうか?

　だがさっき、ロシア語や中国語から中二病言葉を言って発動できたはずなのにどうして、俺は軽い心臓発作を起こしているのか分からなかった。

　まさかと思いながら、ユンケラ首相が破滅の刻印について話しは本当だったのか?

「ゲオルグ。」

「シュタイン。上半身裸になるが、大丈夫か。」

「あぁ、大丈夫だ。」

　俺はゲオルグに見せてもらう為、上半身裸になり、状況を確認した。

「シュタイン君。どうやら君の左胸に能力者の対価として『破滅の刻印』が見事に烙印されている。」

「『破滅の刻印』の話は本当だったようだな。」

「あぁ、そうだ。どうやら契約者の対価違反として破滅の刻印が発動する事は非常に危ない。この烙印が2周して、24の刻になった時、君は死ぬかもしれない。」

「ありがとうな。ゲオルグ。」

「あぁ、だから収まったらモスクワに戻ろうな。」

　俺はこの心臓の烙印がまさか市の烙印だと知らなった故に、俺の命はそう長くないとさえ感じた。

　だからこそ、俺が死ぬ前にイラク戦争を絶対に阻止してみせると決意し、イラク戦争を止めて死のうと思った。