ブラックガヴァメント(暗黒国家)

第4話 Он должен уйти Страны в США. (脱出すべき国アメリカ。)

　俺は空気を操る契約能力故か、その空気を用いてこの壁を破壊しようと考えた。

「出来たのか?」

「えぇ、これで君はここから脱出できる。だが、刑務所を破壊した以上、君は1年以内にこの国（アメリカ）から脱出しなければIWCやBEF、そして米司法省に殺されるぞ。」

　マリーナ嬢（あいつ）が凄く真剣な顔をした事から俺は今すぐこの国（アメリカ）から脱出すべきだと判断できた。

「分かっている。この国（アメリカ）に居ても1年以内に殺される。なら、この国（アメリカ）の影響力の無い国（反米国家）に亡命する以外、俺が生き延びられる保証などない。」

「その気概なら、貴方は1年以内に良い国に逃げられるね。けど、私も貴方もここに留まる時間はない。私も契約能力を発動しよう。Психа проходить. （プシハプロホヂチ）(サイコパス)」

　マリーナ（あいつ）は俺の契約能力で使った空気で壊した壁の残骸を使い、刑務所の壁を破壊した。

「よし、これで一緒にこの刑務所から脱出しよう。」

「あぁ、そうだな。」

「うん。そして2人で契約能力を使ってあの壁を壊そう。」

「あぁ、勿論だ。」

　俺らはこの刑務所から脱出する為、契約能力を使用した。

　だが、マリーナ嬢（あいつ）の言う通り、腐敗したこの国（アメリカ）を変えるには他国（反米国家）を介して改善する以外に方法がないと感じた為、この国の影響力のない国（反米国家）に亡命し、この国の政府（アメリカ政府）の実態を暴露しようと感じた。

「シュタイン。成功したね。これで囚人が逃げる準備をするから看守たちは奴らを処罰する為に精いっぱいになるよ。」

「そして、俺達に構わっている暇などない事か。」

「その通りよ。」

　俺らは契約能力を使用し、これからアメリカを脱出する準備を整えた。

　そして、刑務所から脱出し、マリーナ嬢（あいつ）がレンタカーベンツで運転する事になり、刑務所のあるデラウェア州（企業城下町）から南にあるバージニア州にある仲間の船に乗り、キューバに向かう事になった。

　丁度、デラウェア州（企業城下町）の南に位置していた為、30分でバージニア州に突入出来た。

「ようやく、デラウェア州からバージニア州に脱出できた。」

「ありがとう。それでも危ないが、デラウェア州にいるよりは遥かに安全だ。」

　俺は、マリーナ嬢と共にデラウェア州から脱出した事で安心出来ないものの、気持ちに余裕が出始めた。

「デラウェア州は企業城下町で企業の税制を優遇する制度が充実している。当然ながらそこを使ってアメリカ企業は脱税した訳。」

「その通りだ。デラウェア州は、企業城下町で企業にとっては非常に有利な州なのは間違いない。勿論、アメリカ政府（奴ら）の関与がある上に、そこに居れば俺は殺されるから貴様が俺を救出した事を感謝する。」

　俺はマリーナ嬢（あいつ）に自身を救った事で感謝した。

「ありがとう。だから、あと3時間でイーストビーチに辿り着く。だから、それまでは辛抱して。」

「そうだな。それまで辛抱すれば俺はこの国（アメリカ）から脱出して自由の身になれる。だからこそ追手が来ない様にしたいね。」

　俺は追手が来る事を予測し、いつでも戦闘の準備をした。

「悪い。シュタイン。私は少しアンタにキスするよ。」

「どうしてだ。」

「契約能力を使った代償として1回ごとにキスしなければならないの。」

「そうか。でも、それって俺にも代償があるって事だろ。」

　俺は、契約能力の代償を支払う必要性を改めて気付いた。

　けど、その代償はどんなものなのか俺は知らなかった。