第25話 列車戦線。
「お前は、誰だ?」
俺は列車内で謎の紳士らしき人と争うような状況に陥っている。
「君がシュタインなのは分かっている。だが、君たち裏切り者に私の名前を知る必要などない。よって、君たちはここで死んでもらうよ。」
誰だ。こいつは。
俺はこの男が誰なのか分からず、どんな能力を有しているのか分からない。
一方で俺やマリーナの名前を知っているとなると確実に俺らは列車内で話した内容を聞かされた可能性が高い。
故に俺は誰なのか分からないまま、この紳士と闘う事にした。
「なら、俺はこの詠唱を行う。
俺はペルシア語とロシア語の2つを詠唱し、これから空気能力を発動した。
更に…。
「
俺の中二病言語が最高潮まで影響を受けたからか俺は凄く気分が良くなってきた。
「よし、貴様はここで死ぬんだ。」
「ほう、私がどんな能力なのか、そしてその発動条件がどんなものなのかあなたは知らないようですな。」
謎の紳士は俺の攻撃が最高潮で攻撃できるにかかわらず、非常に冷静な目で俺をみていた。
一体、奴にどんな策があるんだ?
「では、行きます。」
タンッ。
謎の紳士は自身の杖を床に強くたたき始め、これから能力を発動する筈だ。
まさか…、
「ぐっ。俺の内臓が風圧でやられた。お前、まさかIWC職員のウィリアムス・ゲイツなのか…。」
「…。」
俺はあの紳士の名前をようやく思い出した。
あいつの名前は『ウィリアムス・ゲイツ』。IWC職員の1人で有する能力は『オウム返し』だ。
俺はあいつが『オウム返し』する事を知っているなら安易に能力を発動する必要がなかった。
そしてその発動条件は杖を床に叩く事。
そして強く叩けば叩くほど、威力を倍で返せるわけだ。
「成程。私の名前を君自身がばらした訳ですね。そう、私の名前はウィリアムス・ゲイツ。君の元上司ですよ。」
俺がやられそうになると、名前を素直に言うとは本気でこいつは卑怯者だ。
アメリカ人には卑怯者が多いのは前から知っていたが、矛盾した言動と自分が勝つ為なら相手を追い込ませる事を厭わない行動は俺も嫌気が差したからな。
この男もさすがはアメリカ人らしく卑怯者だと思った。
まぁ、卑怯で女性ホルモンが強くなければアメリカ社会に順応できないからな。
何故ならアメリカで銃乱射事件の加害者は大部分は男性で、尚且つ薬指が長い人が多い事を俺は…。
「シュタイン。大丈夫か。」
「あぁ、俺は少し
「そう。なら、私は超能力の能力のもう1つの能力を発動する。」
マリーナ。
俺とキスしてどんな能力を発動するんだ。
「シュタイン。私とアンタの絆を1つになればアンタは完治する。」
マリーナ。分かった。
俺は貴様とキスして治療する為に俺と貴様の絆を強化しようと思う。
「ほう、そんな事をしても君たちは私に殺される運命なのに無駄な足掻きを…。」
無駄かもしれない。
けど、これで治療できるなら俺とマリーナの絆を使って
故にゲイツ。お前だけは殺してやる。
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