第24話 IWCの刺客。

「なぁ、マリーナ。俺達は誰かに見られていないか。」


 俺はワルシャワ西駅からベルリン中央駅前向かい際に、誰かが尾行してる可能性があると思い周囲を見渡した。


「大丈夫だ。シュタイン。私が見える範囲では誰も尾行していない。だからともに搭乗するぞ。」


 マリーナ。お前の勘が鈍いだけか、それとも俺の勘違いなのは分からない。けど、誰かが俺達を監視している事は間違いないと思っている。

 それが直接的でないにせよ、動くカメラを使えば俺達の行動を盗聴できるのは間違いない事を知っているから余計に怖い。

 故に俺はマリーナの言葉に疑いを持ちながらベルリン中央行きの列車に搭乗した。


 そして、ワルシャワ西駅を発車し、ドイツとの国境を越えた時、俺達の雰囲気は激変した。


「シュタイン。なんか、怪しいトラックが沢山いるのがおかしいと思うっているのか?」


「あぁ、ドイツとの国境に入った途端、怪しげなトラックが急激に増えたな。」


 俺はドイツが今、難民という兵器が大量に投入されている事を知っており、そのお陰で自作自演のテロが蔓延していると直ぐに分かった、

 そして、この列車にも誰かが俺やマリーナののではないかと俺は、注意深く神経を尖らせた。


「おや、どうやら君がシュタインさんではないでしょうか。そこにいるのは彼の亡命に協力したマリーナさんではないか。」


 何だ。俺やマリーナの行動を把握しながら俺の話を盗聴した奴がいたのか。


「マリーナ。」


「あぁ、私も能力を発動する為、アンタとキスする。」


「分かった。そしてキスが終わったら俺は中二病発言を行う。」


 2人は列車にいる謎の紳士と鉢合わせした事でこれから彼と闘う事は避けられなかった。


―――ジョンソン視点


 俺達は今、عراقエラーク (イラク)の首都バグダットに到着し、これからアル・アビームと対面して、イラク戦争を何としても阻止しなければならなかった。

 イラクは確かに独裁国家でアビーム大統領が否けれれば統率できない事は俺も承知だ。

 故に俺達はここでアビームさんと対面し、シュタインから情報を得た、9・11テロの情報を提供しようとした。


「カミラ。お前がシュタインから信頼されている理由が分かった。お前が、アメリカに亡命しなかったのはアメリカの実情をよく理解していたからだろ。」


「そうだ。私は普通のキューバ人と異なり、アメリカの医療制度の杜撰ずさんさや戦争経済で潤わせている事をシュタインさんから得る前から知っていた。だからこの体制に疑問を持ちながらあの人と会った事でようやく、アメリカ一極主義を破壊しようと思ったんだ。」


 カミラさん。俺は英国の『GAYSBOOK』が盗聴手段として利用されている事を知っていたからその内情を暴露した。

 だが結局、俺はMA07に逮捕され投獄された。

 それを救ったのは典紀さんと現ロシア大統領のチェノフスキーさんだった。

 彼らは、俺が暴露した内容を評価し、ロシアのФСБの一部隊である『カラプソフミーラ』を設立する要因になったからだ。

 故に俺は典紀さんやチェノフスキー大統領は命の恩人だと思う。

 故にカミラやゲオルグを決して犠牲にしないよう心がけた。


「しかし、ジョンソン。イラクは抑圧的だが、それでも民は平和に暮らしているな。」


 ゲオルグ。お前のいう事は分かる。

 だが、俺はそれを聞き流しつつも誰かが俺らを尾行していると警戒した。

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