第70話 来たのはマクシム?
私はエリーゼ宮でシュタインが死んでいる可能性があると感じ、少し、それを否定したかった。
と同時に、何としてもマクシムを殺す為には私はある能力を使う以外になかった。
「なら、私はアンタに強い拳を売って回復させてもらうぞ。」
「ふっ。俺に対してそんな事が出来るのか?」
私には治癒能力と拳で攻撃して治癒する能力を持つ。
即ち、治癒能力が中心だが、拳で攻撃する事で相手の体力を奪う事が出来る能力…。
鋼の肉体ならそれで殺せるのだと私は思っていた。
同時に、マクシムがここに来るまでにミハイルというIWC所属の偽フランス人を殺さなかければ私の勝利は絶対になく、負ければ死ぬと思い、本気を出した。
「アンタ、誰だよ?」
私はその雰囲気を見て少し戦々恐々した。
すると…、
「カミラ。俺だ。マクシムなら無事に殺した。」
「シュタイン。アンタは無事なのか?」
「全然、無事じゃないぞ。俺は只今、エリーゼ宮をぶっ壊して壊滅させた。これでフランス政府の悪事は出来なくなるだろうな。」
私はキューバ人がアメリカ本土に亡命する悲劇を知っている。
だから、シュタインがへらへらしてエリーゼ宮を破壊した事を自慢した事に一瞬、許せなくて苛立った。
バチンッ
「何をするんだ。カミラ…。」
「シュタイン。アンタは世界を守ろうとしているのに、この国を無政府状態にしてどうすんの?」
「この国を無政府にしてはいけないのか?」
「駄目だよ。したら、奴らがこの国を余計に支配しやすい構図を作っちゃうから…。」
「嘘だろ…。」
私はキューバの悲劇がどれだけ多くの民を苦しめたのか?
それを知っているからこそ、シュタインにお仕置きしたかった。
「済まない。カミラ。でも、俺はエリーゼ宮を壊さないと俺が殺されるからしょうがなかった。」
「そうか。でも、安易にエリーゼ宮などを壊さない方が良いよ。」
私はシュタインが重要な施設を破壊すると国が混乱し、テロリスト扱いされる事が嫌だからこの件に関して厳しく接した。
するとシュタインも…、
「あぁ、こいつは、マクシムの手下の様だな。なら、カミラ。共に奴を殺しますか?」
「あぁ、当然だ。」
「Говорите из умер сад. Этот из Концов мировой. (ようこそ死の広場へ。終わりの世界へ…。)」
私はシュタインと無事に合流して奴を倒せると確信した。
「シュタイン。貴様はたった1時間でどこまで戻って来れたんだ?」
「はぁ、俺の空気能力を上手く調整できるようになってな。そのお陰から一瞬でエリーゼ宮に辿り着いたんだ。」
「シュタイン。一瞬で辿り着いたのか?アンタは凄いな。でも、エリーゼ宮を壊すのは間違いだからそれだけは気を付けな。」
「当然だ。俺もこれから奴を倒さないといけないからな。」
シュタインも奴を倒す覚悟をしているせいなのか、私もあの男を殺そうと思った。
「だが、残念。シュタイン君。君はマクシムを殺し、エリーゼ宮を破壊した。僕たちIWC率いる西側連合の勝利だから…。」
「ぐっ。」
喋っている最中にいきなりミハイルがシュタインに向かって攻撃を仕掛けてきた。
どういう事なの…。
私は話している最中にいきなり攻撃する奴を見て本気でミハイルは危ないと思った。
シュタインが、どうか…、無事でいてほしい…。
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