第69話 無政府化するフランス。
「カミラ。これでエリーゼ宮が見事に破壊した。直にフランスは無政府化され、治安が乱れる。早くカミラと合流して戻らねばならぬ…。」
俺は見事にマクシムを倒し、同時にエリーゼ宮の破壊に無事に成功した。
だが、其れは同時にフランス政府の崩壊を導く可能性が高い好意だと解っていた為、一刻も早く、フランスから立ち去らねばならない。
だが、カミラは俺の話を聞いた瞬間…。
バチンッ!!
「シュタイン。アンタはどうしてそんなことをしてまでフランスを無政府状態にしたいの?」
俺はその話を聞いて唖然とした。
俺のやっている事は本当に正しかったのか?それともこの話を聞いて俺は米軍産複合体に加担してしまったのか頭が混乱ししてしまった。
********
―――これは俺とカミラが合流する少し前の話。
「カミラ。貴様はどこにいるんだ」
俺はカミラが何処にいるのか分からないながらもエリーゼ宮から立ち去り、カミラと早く合流する必要があった。
―――ここから去らねば俺は確実に殺されかねない。
と俺はこの場から立ち去る以外に考える事が出来なかった。
****
―――私は、シュタインが居なくなってから更に追手を警戒した。
何故なら、奴らは敵だと解れば何をするか解らず、又、屈強な男性を使って相手を追い詰めるやり方を既に知っていたので決して背後を見ていた。
そしてシュタインが飛ばされた際、私はこの場を見て奴を倒さなければならないといけなかった。
「アンタの名前は?どうせ教えてくれないだろうけど…。」
「ふふ、僕の名前を知っているんだね。僕の名前は、フランシスコ・ミハイル。マクシムの命令で君達を殺しに来たんだよ。」
「マクシム。確か、この国の指導者か?」
「そうとも。この国の指導者はエマニュエル・マクシム。この国を征服する為に送られたIWCの人間だ。」
「成程。道理でフランスを異様に嫌い、相手を攻撃してきた犯罪者な訳か。なら私は容赦せんぞ。」
私は奴と手を抜けば本気で奴に殺されると思いながら、攻撃を避ける為に戦闘準備を始めた。
「私はこの戦いを参加する為に多くの人間を治癒し、シュタインの無事を願った。これが私の発動条件だ。なめるな。マクシムの手下が…。」
「ごもっとも。僕の鋼の肉体で君の治癒も台無しにして挙げる。」
奴は鋼の能力を持っている。
だが、私はそれを治癒する能力を持っているなら、攻撃用能力で相手を叩くのみ。
「行くぞ。アンタみたいなマクシムの手下にはな、強い拳で追い詰めれば良いんだよ。」
「ふっ。成程、確かに鋼鉄の肉体を持つ俺には強い拳や地面を揺らすなどは確かに効果的だ。だが、その程度の拳なら俺は契約違反しても能力を開花できるぞ。」
「何を言っているんだがわからねぇが、アンタもIWCの連中だろうが…。」
私は憎しみが絶えることなくこの男を殺したい衝動を抑えきれなかった。
そして、その衝動の影響で回りが見えなかったお陰で…。
「ほら、シュタインが飛ばされたエリーゼ宮は爆破された。これでシュタインは死んだし、フランスもこれから無政府化するがな。」
「どういう事だ?」
どういう事なのか私にはわからない…。
だが、シュタインが死んでいるならマクシムがここに来ることだけははっきりと分かった。
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