第76話 地獄のベルリン地下鉄

 ゲオルグが券売機で捜査している間、俺はここにいる乗客の様子を見る必要があった。

 何故なら、ドイツでは難民問題で治安や風紀が乱れ、アメリカIWCが仕掛けたテロリストが多く潜入しているからだ。

 当然、駅ナカも安泰ではない。

 自動改札口がなく、信用乗車方式を採用しているベルリン地下鉄では券売機がご存知の通り、ホーム上にある。

 つまり、ホーム上に券売機がある事は難民や諜報員が簡単にホームに入れる事…。

 更に、ホームには諜報員スパイ達が入りやすい環境が整っている事から俺達は細心の注意を払う必要があった。


―――ゲオルグ。貴様が無事にドイツ首相官邸府の電子鍵セキュリティプログラムを開けられるなら俺は成功するまでここにいるから我慢しろ。

 俺が出来る事は非常に限られている。。

 だが、ここで成功すればドイツの暗号鍵パスワードが解放され、外国政府にも丸見えの状態まで情報が筒抜けになる。

 だから俺は、ここで見張るしかなかった。


「おや、お客さん。なんで券売機の近くにいるのかな?」


「貴様は誰だ?何で、喋っている最中に既に刃物を用意している?」


 俺は検札員らしき男と喋っている最中にも後ろには既に大きな刃物で俺たちを攻撃しようとしている。

 つまり、検札員は正規であっても、既に後ろから刃物で人殺し出来るように訓練されているだろう。

 つまり、不正乗車キセルや券売機を弄るなら殺すぞという警告だな。


「だが、貴様は刃物を持っているのはこの駅の券売機に既にドイツ首相官邸府の暗号鍵セキュリティプログラムを解除されるのが凄く怖いから俺たちを妨害するだろ…。」


「むっ。確かにそうだ。でも、何でお前達がこんな事を知っている。そして何故、お前がゲオルグと共に同行しているんだ?」


「はっ。貴様は何を言っているんだ?貴様はДВДでーヴぇーでーの連中か?」


 ДВД。即ちドイツでいう秘密警察隊で、彼らはユンケラ首相の意向で動いているのが一目瞭然だ。


「貴様が検札員を装ったДВДの連中なら俺は貴様を殺して見せるよ。 Вонючий!! Немецкий на Голубой убийцы.」


 俺はすぐさま、ロシア語を語り、これからДВДの連中を討伐する事を決意した。


「やはり、私がДВДの連中だとバレましたね。しかし、貴様は私を殺す事が出来ますか?シュタイン君!!」


 何故、俺の名前を知っている?

 俺の名前を普通は、知る事がない癖にどうして俺だと判断した。

 まさか、ДВДの連中はIWCとずぶずぶの関係なのか?

 なら、俺はIWCそのずぶずぶの関係のДВДなら情報を漏らしていくのは当然だと理解できた。


「さぁ、悪の手先である貴様には空気でぶっ飛ばさないといけないかもな。」


「貴様は、俺がどんな奴かを知らずによく堂々と言えるな。」


 俺が堂々と言えるのは貴様に対した能力がないから言えるだけだよ。

 だから貴様には死んでもらう。


「だが、遅いぞ…。」


「うぐ。何故、いきなり俺を襲ったんだ。」


 だが、奴は対抗ホームに向かって飛ばされ、壁にぶつかりそうな状況となったその時…。

 電車がいきなり高速で通過してきて奴を跳ね飛ばした。

 当然、奴は電車の早さも相まって身体は肉片だらけになって、電車は運行停止した。

 だが、幸いにも対抗ホームだったので俺は検札員に注意される事は一切なかった。

 俺は本当に無事にこの戦いを終えられたのか不安だった。

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