第88話 カラプソフミーラにとって不都合な情報。
「ほう、君達は『カラプソフミーラ』という組織がそんなに高尚な組織だと思うのか?」
「どういう事だ?」
ユンケラ首相はまるで俺たちに『カラプソフミーラ』が下賤な組織だと語っているかのような態度をとらせる事で俺たちを動揺させているに違いない。
だから、俺は彼女の行動に警戒しながら、話を続きを聞く事にした。
「行っておくが。『カラプソフミーラ』は貴様達が思うような高尚な組織ではない。事実、貴様の左胸あたりに『破滅の刻』が刻印されているだろ。」
確かに、俺の左胸には『破滅の刻』が刻印されている。
恐らく、契約違反した人間を心臓麻痺で苦しめる刻印だと思うが、俺はそれでも彼女の言動には非常に警戒した。
何故ならそれを利用して、俺たちをIWC側の方へ寝返らせる事が目的だからな。
無論、『カラプソフミーラ』が高尚な組織だとは思わない。
しかし、IWCの穢れた組織体制に比べれば『カラプソフミーラ』は遥かに良いと思っている。
マリーナ、カミラ、ゲオルグ、典紀、そして今は亡きジョンソンが米国家機密情報法違反で逮捕された俺を快く受け入れてくれた。
つまり、アメリカはそうやって自分達の都合の悪い情報を隠蔽する事で自分達の都合の良い解釈をする事を進められたのは当然と言えよう。
「あぁ、確かに俺の左胸には『破滅の刻』の烙印が刻印されている。だが、何だ。この下賤なおばさん。」
「ほう、君が私の事をおばさん扱いするとは随分と生意気だな。」
「で、『破滅の刻』がどうした?それで人が苦しめられると思っているのか?」
俺は彼女の言動は明らかに事実を言っていそうで嘘を言っている雰囲気を感じたのでその辺を警戒しながら、俺は彼女の話を続けた。
「ふっ。君が信じないならそれで良い。だが、『カラプソフミーラ』は『破滅の刻』で多くの人を殺したんだよ。」
「殺した…。」
おっと、俺は動揺してしまった。
でも、IWCの連中に比べれば大した人殺しではない。
つまり、彼女はIWCの人殺しの実態を知らない事になると俺は思っていた。
だが、彼女は知らない様で知っている。
何故なら、アメリカの手先として働いていた彼女がIWCやドイツの諜報機関DVDの事を口に出さないからだ。
「でも、貴様はIWCの実態について口をつぐむ極悪非道なユンケラおばさん。嘘を語るのはもう、これ以上に止めにしないと俺は貴様の事を赦せないからな。」
そう、本当を言いながら都合の悪い事に隠蔽に過ぎない。
なら、この叔母さんを殺せば俺はそれで十分だった。
「А ты нет у юнаю есть. это Америские на страхишь.」
俺はこれで能力を発動できる状態を保ち始め、これから俺は一気に彼女をいつでも攻撃できる迎撃態勢を整えた。
「甘い。私をそれで殺せると思っているの。私はドイツ首相だから、貴様が『カラプソフミーラ』に所属して、その弱点も知っている。それを忘れては困る。」
…やばい。彼女の目を見るとまるで人間臭さを感じない冷徹さと残忍さを兼ね備えている。
俺はこれでダメなのだろうか…。
と、俺は絶望しながらこれで終わると思っていた。
「シュタイン。貴様はここで負けるな。奴は相手の弱みを利用して能力を発動する。」
「ゲオルグ…。」
ゲオルグが奴の弱点を知っていると思うと、俺は大丈夫であると同時に彼女の弱点を暴きだせると思った。
同時に彼女は俺を『カラプソフミーラ』から引き離し、俺を捕まえようとするやり方をしたと理解した。
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