ドイツ国民の為の国編

第74話 ブラック国家ドイツ。

 フランスの任務を終えてから俺はイラク戦争計画がアメリカによって作られたものだと次第にはっきりしてきた。


「ジョンソン。貴様が居なくなっても俺が『カラプソフミーラ』を纏め、典紀さんの補佐をするから安心しろ。」


 俺が今は亡きジョンソンの代わりになれるとは思えない。

 寧ろ、フランスのエリーゼ宮の問題で問題を悪化させてしまった事が何よりも問題だから…、

 俺は、バカだ。

 エリーゼ宮を請わないようにマクシムを殺せば良かったのにどうして俺は壊して殺してしまったんだろうか?

 俺はそれが非常に怖いのだ。

 俺がやった事は非常に危なさを持っているのは解っていたが、それでもこのフランスから情報を探るしか俺が生きる術がなかったからな。


「おはよう。シュタイン。」


「マリーナ。俺がフランスのエリーゼ宮を壊した事をどう思っているんだ?」


 俺はマリーナにエリーゼ宮を破壊した事実を述べた事に何かしらの罪悪感を持っている事は間違いなかった。


「ううん。アンタがいたから私はエリーゼ宮が壊れても何ともなかった。」


「そうか。」


「フランスは英国やアメリカと協力した国家だからこれから新しいフランスとして再生すれば良いだけだよ。」


 マリーナ。

 貴様はフランスが崩壊したにも関わらず、意外と冷静でいられるんだな。

 でも、俺もアメリカと敵視して変えなければ自身も殺される事を理解していたから俺はエリーゼ宮を壊して良かったと思う。

 カミラがそれを嫌がったのはやはり、ナショナリズムを守りたい気持ちがはっきりとしていたからだろうな。


「分かった。俺は、これから任務を引き受けるから。」


「シュタイン。で、典紀さんからゲオルグとアンタに対する任務が届いたよ。」


「そうか!!案外、凄く早いんだな。」


 俺は、任務が届くのがこんなに早いとは思わなかったが、どうしてそこまでして任務が早く来たのかよく理解出来なかった。


「で、シュタイン。今回の任務は現ドイツ首相であるアンジェラ・ユンケラの暗殺任務だ。」


 遂に暗殺任務が来たか?

 でも、どうしてドイツのお偉いさんを暗殺する必要があるのか良く解らなかった俺だったが、それでもこの任務は何かしらあると思った。

*********

 それから任務に出発してベルリンに到着した俺とゲオルグは…。


「シュタイン。僕の故郷であるベルリンだ。」


「ここが、ドイツの首都、ベルリンなんだ。」


 確かにドイツは欧州で唯一、景気が良い国となっているが、妙な圧迫感がある。

 そして、付近を見ていても移民を中心とした人たちがドイツの本音を言えなくしている。


「なぁ、ドイツは妙に圧迫感を感じないか?」


「あぁ、感じるとも。俺はアメリカで本音を漏らした事で死刑にされかけたからな。」


「へぇ~。君がアメリカに…。でも、ドイツ首相官邸府はベルリン中央駅南口のすぐそばにあるぞ。」


 俺は、ベルリン中央駅を降りていよいよ、ドイツ首相官邸府に潜入する覚悟を俺は持った。

 そして…、


「ゲオルグ。これから突入するから気を付けろ。」


「当然だ。僕も気を抜いたら殺されるからな。」


 俺とゲオルグはこれからドイツ首相官邸府に突入する準備の為、息を整えた。

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