第108話 Мой братьев.(我が兄弟。)

 俺はもう、迷わない。

 何故なら、『カラプソフミーラ』に入った時点で俺の妹と闘う事が決まったから…、


 『カラプソフミーラ』に入った以上、俺は妹と闘う事が決まったから。

 それ故にIWCに忠誠するアホな妹より緒川二郎先生を守る為に戦うのみだ。


「なぁ、ドロテア。貴様がここにいる事はまさか、皇室と緒川二郎先生の殺害を目的としているだろうが。」


「その通りだよ。私は緒川二郎先生と皇室の抹殺か身体を入れ替えて牛耳ろうとしたいんだよ。そうすれば、今度こそ日本のIWC支配を確実の物にするから余計にね。」


「ふざけんなよ。貴様みたいな妹は最低の出来損ないだ。だから、絶対に俺は許せない。なら、俺の能力で貴様を抹殺して見せるぞ。『讽刺和フェンシヘ』。そして『Сатира и умериеть』。」


 俺はこの2つの言葉を発動しながら、これで奴らを討伐する発動条件を求めた。

 我が妹は決して許せない奴な上、皇室を利用して日本のアメリカ統治を行うのが目的だと俺は知っているからだ。

 だが、それでも天皇陛下は凄く暖かい目をしており、俺は陛下の顔を見て凄く安心出来ると感じた。

 同時に長州藩、三河藩、会津藩、土佐藩が明治以降の日本の悪行を行った連中で彼らが戦争をアメリカ追従を引き起こした事は容易に考えられる。


 最も薩摩藩は敗者の事もあったし、何よりも江戸幕府の緊縮財政を止めたかった思いがあった。

 それに対し、長州藩や会津藩は元々、同じ仲間な上、徳田幕府の戦争路線を継承しようとしていた。


 だからこそ、緒川二郎先生は彼らを嫌うのは当然だと感じた。

 同時に緒川先生の能力発動条件や対価は天皇陛下の影響を受けるから、絶対に天皇陛下を守らねばならなかった。

 そして俺がメッセンジャー博士に平和路線とイラク戦争阻止を進める上で重要な役割を担っていると思うと俺はここで決して死ぬわけにはいかなかった。


「よし、シュタイン君。君のやりたい目的が分かった。だから、僕は天皇陛下の忠誠と共にあの能力を発動するよ。」


「緒川二郎殿。あれを発動するんだ。」


「あぁ、分かっています。天皇陛下殿。あの能力で奴を南米に飛ばしますね。」


「了解。」


 俺は緒川二郎先生の能力がここまで凄いものとは知らずに本格的に奴らを討伐する能力があると思うと、これはこれで安心出来ると思った。


 さぁ、緒川二郎先生…、


 能力を発動して、我が妹を移動させろ。


「ドロテア君。君はここで退場だ。」


「えっ、何を…。」


 緒川二郎先生の能力が発動した途端、我が妹のドロテアは急激に空間転移し、彼女の姿は既にいなくなった。


「緒川先生…、」


「シュタイン君。これで僕の理想は完成したよ。」


「あぁ…、」


「良くやった。シュタイン君。これで緒川二郎先生が正真正銘の第95代内閣総理大臣になれた。君に感謝します。」


「ありがとう。天皇陛下。」


 俺はこれでようやく、彼を内閣総理大臣にしたお陰で天皇陛下の理想がようやく追求できたと感じた。


「で、緒川先生。」


「シュタイン君。君は残党処理を頼むぞ。」


「当然だ。」


 後は、奴らを討伐する為に残党を処罰しなければならないと思ったので仲間の元へ向かった。

 案の定、IWCの連中は緒川先生が使った人事権で一気に大量逮捕され、連中はグアンタナモ刑務所に送られた。


 マリーナは無事だろうか?


 俺はそう不安を感じながらマリーナの元へ向かって行った。


 すると…、


「シュタイン君。アンタは無事だったんだね。」


「あぁ、緒川先生も天皇陛下も無事だ。」


「そうか。だから、私が彼らを守る。だからシュタイン君はマリーナ達と共にトルドーを討伐してくれ。奴を野放しにすると意外と危険な予感がするから。」


「了解。俺も技の発動回数が残っているから十分に大丈夫だ。」


「うん、その目を見てみると凄く良い目をしているね。」


「俺が良い目をしていると…、」


「そう。だから、彼らを討伐してくれよな。」


「あぁ…、」


 俺はそう思いながら、これからマリーナ達の安否を心配しながらトルドーの討伐準備を始めた。


 マリーナ、ゲオルグ。


 無事に待ってくれ…。


 俺もトルドー討伐は絶対に協力するから、無事でいてくれ。


 「Нет,Я не. Вам Убийцы.(俺じゃない。貴様が殺した。)」

 

 そう語りながら、これからトルドー討伐準備の為、俺は能力を発動し、マリーナ、ゲオルグの安否に不安を感じながら、IWC残党狩りが始まると実感した。


 絶対に奴らを倒さねば…。

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