第31話 Протестант и 9・11.

俺はイタリアの首都、ローマに到着した後、新右翼しんうよく政党である『』の党首でコメディアンであったクレメンテさんと合流し、俺は『9・11』を話す準備を整えていた。



「クレメンテさん。俺が『9・11』テロの情報を取り上げるようになったのはあの事件がアメリカ政府の自作自演であり、そして悪法である『』を作り上げる為に作られた事件だ。」


「『愛国者法』。それは何だ。」


俺は愛国者法がどれだけ危ない法律なのか知っていたので、クレメンテさんに話す事にした。


「あの法律が制定後。俺は『9・11』の真実を暴いただけなのに国家反逆罪はんぎゃくざいで逮捕されたんだ。」


「シュタイン。まさか、『9・11』のテロを暴いただけで捕まったとはどういう事だ。」


「マリーナ。俺は、『9・11』の真実をアメリカの独立メディアに情報を漏らして名前を出すのを控える様に『9・11』テロやアメリカ政府の行動を暴いただけなのに逮捕され、投獄されたんだ。」


「シュタイン。」


「で、その逮捕以外に危険な理由を教えてくれ。」


俺はマリーナに『愛国者法』の真実を漏らしながらクレメンテさんにも詳細を話す事を覚悟した。

ここで情報が漏れる可能性があろうとも…、


「クレメンテさん。あの法律はアメリカ政府の機密情報を漏らした者や、アメリカに反逆する組織を支援したら逮捕できる法案だ。つまり、俺はアメリカに反逆行為をやった犯人だから逮捕されたんだ。でも、今はロシアに逃げたし、マリーナや典紀さん達がいるから俺はIWCにいた時より安心できるんだ。」


「シュタイン…。お前…。」


彼がどうしてアメリカに対して敵視していたのか分からなかったが、俺には既に分かっていた。

それ故に俺はここで情報を漏らす覚悟を持ちながら彼に事情を話す事にした。


「クレメンテさん。アメリカは愛国者法により言論の自由が非常に委縮した事で俺が逮捕されたのは事実だ。それで分かった事がある。共謀罪や愛国者法、偽ニュース規制法は国家権力以上に国際機関の権力肥大化を目指す組織だ。何故なら、彼らは権力を批判しながらも自分たちの影響力を高める為に表向き、それらを批判しても実際はそれを推進する組織だからこそ警戒しなければならない。」


俺が言える事はここまでだ。そして、誰かが俺達の話を盗み聞きてしている。その犯人が誰なのか不明だが、組織に関しては紛れもなくIWC職員だと分る。

何故なら、俺を捕らえようとする奴はIWCとその傀儡である西側の諜報機関位だから…。


「おい、俺達の情報を盗み聞きしている奴よ。出てこい。」


俺は決して逃さない。盗聴犯が誰なのかも知っているし、その犯人はイタリアで逮捕する事等、夢のまた夢である。

だから、ここで戦わなければならない。


「あ~ぁ。俺がお前らの話を盗聴している事がバレちゃったか~。でも、バレた以上、お前らを逃しませんがな。」


俺はアイツの存在を知っている。だが、名前が詳しく覚えられない。

故に、あいつは俺達に名前を教えてくれないだろうと感じた。


「貴様が、名前を後悔しない事を俺は知っている。何故なら、IWC職員の掟で名前を後悔しないのが筋だからだろ。」


「その通り。お前らの話を俺が見事に盗聴した。それをこれからIWCに提出してお前らの居場所を突き止めるんだよ。」


「貴様。俺の能力で抹殺して見せる…。」


俺はこの男の盗聴を赦せないと思い、本気で殺そうと思った。

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