第30話 五つ星戦線。

ドイツのベルリンからイタリアのローマまで到着した俺は、これからイタリア南部の島、シチリア島に向かっている最中だった。


「シュタイン。お前、シチリア島は何処にあるのか分かっているのか?」


「あぁ、ナポリより更に南下した場所にあるだろ。」


俺は、シチリア島の状況がどの様な状況になっているのか気になっていた。

シチリア島、それはイタリア南部にある島であり、移民や難民が欧州で最初に上陸する島である。

俺は、IWC時代にEUが移民、難民に対して非常に肯定的な行動を示してきた事は知っていたが、やはりEUが欧州を崩壊させることは何よりも理解できた。


「なぁ、マリーナ。ローマの中心はバチカンだよな。」


「あぁ、バチカン市国という国だが、ここがアメリカや欧州に影響を及ぼす国として有名だ。」


『…そうだな。』


俺は、バチカン市国がアメリカや欧州に多大な影響力を及ぼしているのは知っている。何故なら、ここがカトリックの総本山であり、『9・11』テロの真実を知る場所としても有名だからな。

無論、ここが強かった影響でロシアや中国、それに今上天皇は様々な妨害をされたのは事実だが、真の犯人はここにはいない。

何故なら、『9・11』テロの犯人はプロテスタント一派であり、バチカンや天皇には陰謀を付けて彼らが責任逃れをするのが常習手段だからだ。

俺はそう思い、バチカンの様子を見ていた。


すると…。


…タンッ、タンッ。


見知らぬラテン系のおっさんが俺やマリーナの前に現れた。


「シュタイン君。マリーナ。お前らはこれから私と共にシチリア半島へ来てほしい。」


「あなたは…、五つ星戦線の…。」


俺はあの人の顔を知っている。

何故ならイタリアで今、人気のある政党である『五つ星戦線』の党首『アントニオ・クレメンテ』という貫禄のある男性だと俺は知っているからだ。


「え~と、貴様の名は『アントニオ・クレメンテ』だっけ。」


俺はそう思い、彼の名を聞いた。


すると…。


「その通りだ。私は『五つ星戦線』の党首『アントニオ・クレメンテ』だ。元々は、コメディアンだったがな。」


成程、コメディアン出身の党首とはなんとも素晴らしい。

俺が住んでいたアメリカなんて政治家や諜報員は殆どが弁護士ばかりで嫌な環境だった。

そしてその弁護士ムラからくる理系に対する排他的な行為に俺は凄く耐えられなかった。

それ故に俺はアメリカから脱出しようとさえ思ったのだ。

なのに、妹のドロテアはどうしてあのような弁護士ムラのアメリカに残りたいのか俺には理解できぬ。

だが、気分を変えて彼にあの事を話そうと思った。


「君がロシアからの支援で救われた話は聞いているぞ。」


「えぇ、俺はアメリカの『9・11』自作自演テロで投獄されたのを隣にいるマリーナに救われた事で俺はロシアに逃げ切る事が出来た。そして、貴様に『9・11』の真実を話しても良いかね?」


「えぇ、勿論だ。私もあの『9・11』テロの正体を知りたいからね。」


俺はこいつが無事に話せる相手だと確信したところでクレメンテ氏に『9・11』テロの真実を話す事にした。


「クレメンテさん。あのテロはアメリカ政府やプロテスタント教会によって作られたものだ。」


「成程。そのテロはアメリカ政府やプロテスタント教会によって作れたとは興味深い。」


俺は彼に真実を伝えられるか不安だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る