第32話 あなたの情報が盗聴されていますよ。

俺はこの男がどんな奴なのか容易に判断できた。


何故ならIWC時代から俺の情報を盗聴してきたし、俺を追い詰める為に彼が出世しやすい構造をとったのは承知の事実である事を知っているからだ。

それ故に、IWC時代から俺の情報を奪い取って犯人に仕立て上げる行動に違和感を持った。

だが、この男の名前は思い浮かばない。一体、この男の犯人は誰なのか気になる。


「お前が名前を教えないなら俺も教えない。だから、俺がここでアンタらを倒して見せる。」


そして、俺はここでロシア語を詠唱して能力を発動すれば奇襲できる。


「Этот Горбой. Ты это гей. (このホモ野郎。お前はゲイか。)」


俺はここでこの男がゲイと判断したため、同性愛ゲイを批判する意味合いで俺はロシア語で詠唱した。


「シュタイン。お前が戦闘するなら俺も戦闘するよ。」


クレメンテさん。貴様も何か能力があるのか。


「Тойфона из челный. (トイフォンは黒い。)それは何故、黒いですか? それは、ホプスが独裁ファシストだからだよ。」


「…ぷぷっ。」


「シュタイン。アンタ、クレメンテさんの話術に乗ってしまったね。でも、面白いのは確かだ。」


俺はその話を聞いて、一瞬で笑ってしまった。


「ありがとう。シュタイン君。これで俺の能力が発動できる。」


「成程。貴様の能力発動の条件は笑いを取らせる事だな。なら、共闘だ。」


俺が笑った事でクレメンテさんが凄く能力発動できると思ったせいか、安心した顔で発動できると思った。


そして…、

「貴様は、ここで倒すぞ。IWCの諜報野郎め。」


「ほう、俺の名前をお前らに語っても良いか。」


「はぁ、どうせ言うと言って言わないだろうが。そんな奴を生かす必要もないんだよ。」


俺は能力を発動して、一気にIWC職員の心臓に目掛けて攻撃した。


「ありがとう。シュタイン。俺も1技発動するぞ。」


クレメンテさん。どんな、発動をするか解らないが助かったぞ。

俺も攻撃できる。


「シュタイン。右に寄るんだ。」


「あぁ、」


クレメンテさんの攻撃は物理的なものだと分り、同時に砲丸などの大砲系だと判断した。


「お前が誰なのか解らないが、ここで死んでもらわないと俺も困るんだよ。」


まさか、大砲を具現化して攻撃するとはクレメンテさんも凄い能力を持っているんだな。

よし、この調子であいつにとどめを刺すんだ。


「シュタイン。俺の名前はジョージ・コミ―だ。だが、既に能力は発動した。お前らはここで終わりだ…。」


「っ!?マリーナ。クレメンテさん。ここから離れろ。」


「どうした。シュタイン。」


「シュタイン。お前…。分かった。」


まずい、奴は自分の能力をつかってこの場所バチカンを爆破して自爆するつもりだ。

そして、発動条件は自分の名前を多くの人に聞かせるカミングアウトさせる事。

つまりバチカン毎、爆破するつもりだ。

この男はプロテスタント原理主義でバチカンや天皇に対して因縁を持っている。

そしてIWC幹部である事から犯人は責任逃れするだろう。

でも、ここは俺達が逃げなければ命の保証がないと感じた。

俺達は、バチカンにある宮殿から離れて彼が爆破する前にローマの外れまで歩いていった。

例え、足がつれても…。


「だが、俺が爆破しても逃げられると思うなよ。」


コミ―は自身が自爆しても犯人は彼らに責任を擦り付ける事で国際指名手配させることが目的だと思い、自爆する覚悟をした。

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