第153話 奪われた体。

 俺はドロテアに体を奪われて非常に悔しい思いをした。

 なんで彼女に俺の体を奪われたのだろうか?

 そう思いながら、本当にドロテアが許せないと思いながら、早くしないと俺の命の保証が失われる恐れから絶対に止めねばならないと感じた。

 なので、俺はマリーナにある事を言い始め…、


「くそ。俺は案で妹に体を奪われたんだよ。」


「シュタイン。あんたは悪くない。けど、この状態では間違いなく私達は不利な状況に置かれるだろう。」


「あぁ、そうだな。」


 そう思いながら、俺はマリーナに対して怒りをぶつけ、彼女もそれに答えて俺を説得させた。

 しかし、俺はマリーナと共に何としても俺の妹を倒す為の手段を得なければならなかった。

 なぜなら、彼女を野放しにすれば何かされるのがわかっているからだ。

 だから俺は絶対に彼女の暴走を止めねばいけないと感じた。


 しかし、彼女は現在。どこにいるのかはっきりとわからないまま、これから俺は何をすればよいのか見いだせない状況が未だに続いていた。

 確かに彼女は俺の体を乗っ取っているが、それでも彼女がどこにいるのかわからないからだ。


 だから俺はこの状況をどうやって解消させるべきなのか非常に考え事しながらこれから俺は連中をどうやって討伐しながら俺ができる事をできるだけ進めようと思った。

 だから俺はマリーナにある提案を行った。


「なぁ、マリーナ。俺は1人で行動するから貴様は速くドロテアを探してくれないか。」


「うん。わかっている。おそらく、あんたはその体では緒川二郎さんの場所に戻っても何か疑われるだけだからこの状況を何とかしたいだろう。」


「あぁ、そうだな。俺はこの状態でもとに戻っても何かわかるわけではない。むしろ、彼女は俺の体を利用して何か禁忌行為に走ろうとしているから余計に危険な臭いがする。一刻も元の体に戻って連中を倒さねばいけないなと思うな。」


 ドロテアは俺の体で何をするのか非常にわからない。

 だから絶対に俺が止めないと俺の体を利用して悪さをするんじゃないかと思うと非常に恐怖を感じた。

 逆にそれが鳥肌が立ち、非常に怖かった。

 するとマリーナはその鳥肌を感じ取ったので俺に何か語ろうとした。


「うん。そうだね。なんか、シュタインの言葉を聞いて、凄く嬉しくなった。」


「あぁ、ありがとう。マリーナ。」


 俺はマリーナに感謝しながらこれからまずはこのベネズエラの中にいる俺の体を奪ったドロテアを探さねばいけないと感じた。

 だから俺は、この事件を収束に向かわせるために、彼女をしっかりと討伐に向かわねば非常に危険な方向へ進んでいくのだと思いながら、これから俺の役割がはっきりしたと思った。


*************


 その頃、私はお兄ちゃんの体を利用してこれからマルシヲ大統領と会って、これからお兄ちゃんに責任にできるように、マルシヲ大統領にこれから私ができる事をしっかり言おうと思った。

 だからマルシヲ大統領のいる部屋の扉を開けて突入した。


「マルシヲ大統領殿。」


「どうも。シュタイン殿。」


「ありがとうございます。マルシヲ大統領。」


「いえいえ。でもマリーナはなんでここにきていないのか非常に不可解です。」


 ちっ。

 早々と私の正体が見破られたとはどういう神経なのだ。

 私は体を奪ったから完璧だったはずなのに彼はどうして私を見破ったのか非常に不可解だった。


「どういう事だよ。」


「既に、私は緒川二郎先生から情報が届いており、シュタイン殿はマリーナと共に行動しているから何かおかしかったら疑ってくださいと言っているのです。」


「ちょっ。ちょっと。これでは私の計画がうまくゆかないではないか。なんで…、」


「やっぱり、君はシュタインではないね。大体、その口調はシュタインじゃない。なぜなら、シュタインは俺や貴様というから当然ではないのか?」


「ッ!!?」


 私はなんで言葉が通じないのかわからないと思いながらもしや、緒川二郎先生が事前にマルシヲ大統領と話しあっていたとは思っていなかったのでこれでは私は完璧に終わってしまうと思った。

 しかも見破られており、私と話が通じないからシャットアウトまでしているとは逆に恐ろしい。


「ちっ。私、1人では何もできないのか。だったら、私はあんたを殺してやるから覚悟しな。」


 私はこの状況を乗り切るために、これからマルシヲ大統領を殺害しようと思った。

 どうせ、アメリカのいう事を聞かないならそれ位の事をやって連中を殺す以外にないと思いながらこれから戦闘を仕掛けようと思った。


 こんな連中では間違いなく私を信用できないなら私がマルシヲを殺す以外になかった。

 だから私は連中を倒す為に、もうシュタイン兄ちゃんの能力で殺す以外になかった。

 こんな奴らに負けるわけには…、


「ほら、さっさと死ねよ。」


「ふっ。君の能力の対価を知らないようだな。」


「どういう事。君は能力の対価としてロシア語やペルシア語などの中二病言葉を言う事なのにそれを言わなかったことはどういう事かわかるか。」


 まっ、まさか…、


「ぐっ。痛い。胸やけがする。どういう事なんだ。」


「そうだよ。能力の対価を支払わずに能力を発動すればそれ相応の報いを受ける。そして違反24回でお前は死ぬんだよ。」


「ちっ。私を舐めやがって。でも痛い。」


 私は本当にこの契約能力の違反がどれだけいたいのかはっきりとわかってきた。

 けど、こんなに痛い状況を生み出されるなら本当に大丈夫なのかと疑問が浮かび、これで大丈夫なのかわからなかった。


「痛い。こんなに痛い状況を私は知らなかった。けど、これは本当にどうしようもないよね。」


「君の負けだよ。ドロテア殿。」


 うっ。嘘…。

 私の名前まで見破られたとは奴はどういう奴なんだよ。

 そう思った私は、こんなに能力の代償がこんなに痛い状況が生まれるなんてどこまでも知らなかった。

 すると、私達の背後で誰かが現れてきて…、


「やっぱり、ドロテア。貴様はここでマルシヲ大統領を殺そうとしていたんだね。」


「君が本物のシュタインなんだろうな。」


「あぁ、そうだ。」


 やっぱり、シュタイン兄ちゃんの体でも負けるのはみっともないと思った。

 だったら体を入れ替えるのは絶対に嫌だよ…。

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