第94話 イラク戦争を阻止する為には…、

 ФСБから租税回避地タックスヘイブンの情報を教わった後、俺は『カラプソフミーラ』の寮に戻り、これから俺は典紀さんと2人きりになるまで暫く適当に話をぼかしていた。


「なぁ、シュタイン。今日はルビャンカ駅でグム百貨店に行かないか。」


「マリーナ。貴様の付き合いに付き合いたいけど、俺は今日は無理だよ。」


「そうか。なら、私はカミラとゲオルグだけで行くから暫く戻ってこないかもしれないな。」


「あぁ、俺はそれで良い。俺は留守番にするからな。」


「了解。」


「シュタイン。」


「ジェロディ。」


「俺も少し、違う場所に行くから貴様と典紀さんの2人きりで過ごす環境になるかもな。」


「あぁ、貴様は既に他の国の情報も得たから大丈夫だろ。」


「当然だ。俺はイタリア出身だが、今はロシアのФСБの上層部。だからこそ俺は貴様がФСБに話した情報は既に知っている。だから、貴様は典紀さんと2人きりで話せよ。それまでは俺は寮の入り口を監視する。」


「了解。マリーナ達は暫く入れさせるな。」


「了解。」


「シュタイン。姉ちゃんたちは俺が買い物まで付き合うからそれまで話してくれ。」


「エリック。貴様も事情を知っているようだな。」


「あぁ、姉ちゃんやゲオルグ達にはまだ知られてはいけない情報だからな。」


「了解。では、エリック。貴様は暫くマリーナ達と買い物に付き合ってくれよな。」


「了解。俺は姉ちゃんを護るから安心して。」


 俺は、典紀さんと2人きりで話せる環境を整える事が出来たので、これから俺はジェロディやエリックと協力して俺と典紀さんと2人きりで情報を話す準備をした。

*********

「どうだ。シュタイン。」


「典紀さん。俺はФСБから重要な資料が大量に出てきた事に驚いたな。」


「そうだろ。でも、こうして貴様と俺の2人きりで重要な情報を得られる機会を得た。」


「了解。なら、租税回避地タックスヘイブンと軍産複合体との関係性の資料を貴様に出してくれとФСБから言われたからとりあえず、出してい老いたぞ。」


「流石、シュタイン。貴様は金に転ばないタイプで信頼が厚い。とりあえず、この資料の一部を俺が記述するから少し貴様の協力してくれ。」


「了解。」


 俺は典紀さんと共に資料の抜粋をしながら、これから租税回避地タックスヘイブンと軍産複合体の実態を暴く為に情報を暴いていった。

***********

 それから1時間後…。


「よし、これで軍産複合体と租税回避地タックスヘイブンの情報を重要な部分だけ抜粋したな。」


「あぁ、これで書き終えた。これから俺だけが入れる地下室のこの資料は一時的に保管しておく。貴様は少し外で待ってくれ。」


「了解。」


 典紀さんは『カラプソフミーラ』のリーダーだから俺ですら入れない部屋があるのは驚いた。


 でも本来なら諜報員ならこれだけの情報を匿うのは至極当然の事だ。

 この資料を厳重に保管するのは金で情報を提供する奴がいる事は俺も解っていた。


 金儲けは非常に良い事だ。


 しかし、金で転ぶ事は金儲けの能力がないとみられる他、それが組織の命取りになる事は凄く解っていた。

 だから俺は、1人でこの部屋で待っている事にした。


 そして西側は独逸ドイツとフランス、イタリアが崩壊したので残る国は、米国、日本、英国、韓国のみだと確信した。

 その残る国にいる軍産複合体の解体が厄介だと思った。

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