第16話 IWCに残った妹。
「あいつ。よくもアメリカを裏切り、敵国に9・11の情報を流しやがったな。この阿保兄貴…。」
私の名前はエンデラ・ドロテア。
ドイツ系アメリカ人で今もIWCの職員に所属してきる女性だ。
アメリカに情報を流して裏切った
それは敵国であるロシア連邦が仕掛けた情報だと思っているから…。
それなのに
「ドロテア。お前の兄貴が逃亡した日。デラウェア州にある秘密刑務所が何者かによって破壊され、奴が脱走した。恐らく、
「阿保兄貴の脱走に誰が協力したんだ?」
まったく、阿保兄貴を上手く脱走させるなんてさすがФСБの手口だわ。
でも、IWCの諜報能力を舐めるなよ。莫迦兄貴。
「そして俺の報告によると、貴様の兄であるシュタインは、イーストビーチにて連れの女と共に怪しい船に乗り込んで逃げたそうた。」
流石、ジェイコブさん。
貴方はビル家の長男として生まれ、諜報能力を上手く使い、阿保兄貴を追うとは流石、阿保兄貴とはどえらい違いだよ。
しかも、私は阿保兄貴みたいな国を裏切る行為にどうしても許せない。
そして、阿保兄貴みたいな次男で政治犯みたいな男を見たせいか、ジェイコブさんみたいな年上で長男、国の為に戦う姿勢をもつ男は私にとっては最高の交際相手だよ。
だから私はジェイコブさんがいる限り、IWCにずっと残るの。
その辺が諜報に興味ないお兄ちゃん(長男)と情報を漏らして政治犯になる阿保兄貴(シュタイン)とは大きく違うのだよ。
「ジェイコブさん。私は貴方の為に忠誠します。」
「そうだな。ドロテア。」
とにかく、私には阿保兄貴のお陰でジェイコブさんがいないとヤバい。
なのでジェイコブさんの為なら、私は何でも忠誠するよ。
あの、阿保兄貴。アンタを殺すことが私の使命である事を忘れるないでね。
――――シュタイン・ロシアサイド
俺は、まさかこの国ならどこにでもあるロシア料理店の個室に監視カメラを付けられている事は典紀さんの話を聞かなければ知る由もなかった。
そう考えると、典紀さんはアメリカの恐ろしさに関してよくわかっている。
「全く。アメリカはロシアでも同じような事をするとは最低だな。」
「あぁ。典紀さんの言う通り、俺もIWCは外国の庶民まで監視しすぎている。」
俺は、典紀さんに妹の事でどうしても言いたいことがあった。
血は繋がっているもの性格や考え、価値観などが正反対の妹は俺と違ってIWCを裏切る事を非常に嫌う。
俺は9・11テロでWTCの崩れ方に不自然さを感じ、ロシア政府等の反米諸国の政府にこの事を暴露しようとした。
それに対し、我が妹であるドロテアはアメリカ政府の為に情報を漏らすのを嫌がった。
故に、ドロテアは俺の事を赦さず、本気で殺しに行くはずだ。
だからこそ、俺の家族事情に対しても典紀さんに言わねばならない。
「典紀さん。実は、俺の妹について話したことがある。」
「お前の妹の事情は知っている。だが、俺らの部屋に戻ってからそれを語ろう。」
やはり、監視カメラの一軒で典紀さんもここで話すのは不味いと思ったせいか、俺もここで軽めに食事をとって『カラプソフミーラ』寮に戻る事にした。
ではないと誰かが俺達を監視しているようで凄く嫌気を感じるからだ。
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