第86話 毒ガスでなく火災…。

 俺たちはてっきり毒ガスだけかと思ったら火災の煙を利用して俺たちを追い込ませようとしていたとは驚きだ。

 確かに毒ガスは下の方に滞留するが、火災で起きた方の煙は上の方へ上がる。

 しかも一酸化炭素(CO)なので二酸化炭素と異なり自然の煙出ないので部屋に下手に吸い込めば俺たちは簡単に死に至る能力が発動できる訳だな。


「ゲオルグ。恐らく、下の方で火の煙が充満していると思う。つまり、下の方の煙が充満する事で俺たちを効率よく殺そうとしている訳だな。」


「つまり、地下へ逃げれば毒ガス。上へ向かえば一酸化炭素中毒で俺たちを殺す訳か。」


「あぁ、その通りだ。しかもここは製薬会社だ。製薬会社という事は間違いなく俺達みたいな敵を殺す事、欧米指導者の理想郷を整える為に何か仕込まれている可能性があると思うんだ。」


「つまり、君の言う通り欧米指導者が製薬会社とズブズブな訳か。だとすれば僕は、この火災と毒ガスは製薬会社が簡単に作れるだけでなく、指導者が金の力などを利用して意図的に操作している可能性がある事か。」


「そうだ。つまり、俺たちは一刻も早く、このエレベーターから脱出しないと逆に殺される可能性がある。」


 俺は間違いなくこの火災は製薬会社が作った薬品が関与しているのは間違いなかった。

 そして軍産複合体と医産複合体は密接な関係のみならず、互いに強調して国を侵略戦争に導く行為を行っている。

 俺は、一刻も早く、この場所を脱出しなければ間違いなく俺たちは殺されると感じ、脱出する方法を見つけるしかなった。


「ゲオルグ。エレベーターのスイッチは何回にあるのだ。」


「シュタイン。エレベーターの階数ボタンは地下2階の次は22階までない…。」


「そんな。」


「僕たちはユンケラ首相などに嵌められたんだ。しかもどちらに逃げても確実に追い込めるようにユンケラ首相は医産複合体と軍産複合体が組んでこの街を守っていると僕は感じた。」


「つまり、俺たちはどちらに逃げても同じな訳だな。なら、俺はここを脱出できる方法が1つだけあると思ったよ。」


 地下2階から22階までしか出られない上、奴らは省エネ仕様のエレベータになっているのは間違いない。

 省エネ仕様のエレベーターなら地下2階から地上22階まで相当な時間が掛かることくらい想定できたからだ。

 だとすればこのエレベーターも隣にある階段も罠が仕掛けられているなら俺はここを乗り切れる難局が1つだけあると感じた。


「ゲオルグ。俺が酸素を出しておくからそれまで耐えてくれよな。」


「勿論、君の風の能力なら酸素も出せるから非常に助かる。」


「いくら火災があるとは言え、エレベーターはほぼ密閉状態。だとすればかなり時間を掛けなければ俺たちを殺せない筈だからな。Для борьбы на Ирана.」


 俺はロシア語で上手く喋り始め、弱い空気を出して時間稼ぎをするしかないと感じた。


「ゲオルグ。到着するまで耐えてくれよな。」


「あぁ、僕はこれくらい耐えられるから。」


 このエレベーターが遅いならそれまで空気を出せれば、時間稼ぎぐらいは出来ると思った。

 そして1つだけの発言では物足りないので更に語った。


「Голубой наЧёрты!!」


 もう1つの能力を言っておけばこれで暫くは時間稼ぎ出来るから、これから時間との戦いになるのは避けられなかった。

 頼む。持ってくれ。

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