第10話 医療先進国キューバ

「ここがキューバか。」


 街の風景こそ途上国だが、その街の風景とは似合わない程、を見て俺は圧倒した。


「シュタインさん。貴方は、ご無事でしたか。」


「看護婦殿。でありがとうな。」


 シュタインは、看護婦に感謝しながらアメリカの事情を話した。


「俺が住んでいただから、キューバに逃げて助かった。」


「そう。なら、何か欲しい者がある。」


 看護婦さんがキューバで欲しい物があると思った故に俺はさっそく、服が欲しかった。


Naruナル, que deseu lu ropu. クェ デセウ ル ロプ(なら、服が欲しい。)」


 流石にと思ったので、俺はキューバで服を買う事にした。


「貴方は、アメリカ人でありながら、スペイン語が達者で凄く安心できるよ。」


Ohオウ, graciasグラシアス.(あぁ、有難う。)」


 俺は看護婦にスペイン語で感謝し、これから服を買う事にした。

 確かに、だが、アメリカの影響を切り離した挙句、だから、などは凄く良い。

 俺が住んでいたアメリカあの国と比べ、女性の社会進出の高さや医療の良さを考えるとこの国をアメリカ奴らの侵略から守りたいと俺はつくづく感じた。


「ところで、看護婦さん。貴様の名前は?」


 を流石に知りたくてしょうがなかった。

 ましてや医療が進んでいるキューバこの国を護りたかったのは、アメリカあの国労働環境の劣悪さブラック労働ぶりを防ぐ意味合いを持っていたからだ。


「私の名前はチェ・カミラ。次いでアンタの名前も知りたいから答えて?」


「俺の名前は、ヱンデル・シュタイン。元IWC職員だが9・11テロの実態茶番を暴いただけで愛国者法により死刑にされた男だ。」


 カミラか。であり、非常に女性らしい名前だ。


「成程。例の愛国者法で投獄され、アメリカからここに亡命した男なのね。でも、アメリカからここに来る男も殆どいないから凄いよ。」


「あぁ、キューバの若い男がアメリカに逃げる自体が相次いでいるからだろ。」


「そう。医療などは素晴らしいキューバこの国なのに、多くの人間が豊かさを求めて医療後進国のアメリカに逃げるの。」


「でも、。」


 何故、医療制度の遅れたアメリカあの国に逃げるキューバ男が多いんだ。


「そう、アメリカは豊かさでなく貧しさの象徴になっているのにアメリカあの国に行って豊かになろうとするバカ男が相次いでいる事が私は赦せないの。」


「俺も同感だ。」


 俺はキューバがあれだけ優れた医療制度がありながら何故、医療制度が遅れたアメリカに亡命するキューバ人が後を絶たないのか理解できなかった。


 確かに、キューバの生活環境は決して豊かではない。

 しかし、があり、しかもだ。

 それなのに、医療後進国のアメリカに亡命して出世しようとするキューバのバカ殿はあの国アメリカの悲惨な医療制度の実態を知らないのか、と俺は首を傾げた。

 何故なら俺の知るアメリカは彼らの知っている豊かな国ではなく、である事を知っている。

 故に俺はアメリカによる世界支配アメリカ一極支配を終わらせたかった。

 世界の貧困や格差をなくす為に…。

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