第50話 妹を狩る。
俺はシュタインの妹を救いたい。
救いたいからこそ、殺して救わねば彼女の命を救う事等不可能だ。
だから俺はこれから、彼女を何としても殺さねば、逆にイラク戦争やシュタインの約束が果たせないと思い、これから彼女を殺害する事にした。
だが、俺は良くてもアビーム大統領やゲオルグ、カミラなどは決して許さない可能性が高い。
だから、
「なぁ、ゲオルグ。カミラ。お前らはシュタインの妹を殺す覚悟はあるか?」
「…!?」
確かに、複雑な決断になると思う。だが、彼女を殺さねば確実に事態は悪化し、イラクが崩壊する可能性が高くなる。
俺は、インターネットがどれだけ西欧やアメリカに有利な状況になるのかよく理解している。
第一、プログラムの多くは英語で構成される。
つまり、ローマ字、ラテン文字だ。
故に優秀なプログラマーは英語圏が多いのは自国言語が有利になる為だ。
だが、これがロシア語やペルシア語などの非ラテン文字言語でプログラムを構成する事になると、あいつらは急に不利になる事は容易に想像できる。
つまり、非ラテン文字じゃない言語を複数暗号として入れておけば俺は確実に奴らの行動を妨害する事が可能になる。
だから、
「アビーム大統領。ゲオルグ。お前達はラテン文字以外、特にロシア語、ペルシア語、中国語のどれかをプログラムに入れておけ。そうすれば盗聴される確率は格段と減り、情報戦で有利になれる。」
「ありがとう。ジョンソン。僕の契約能力でキリル文字やペルシア文字、簡体字などを入れておくことで相手から情報を盗られないように出来るよ。」
俺は、ゲオルグやアビーム大統領に出来る事だけの事を教え、これからあいつの妹を殺す為に俺はいく事にした。
「それで、カミラ。ゲオルグ。もし、俺が死んだり奴に身体を盗られたらシュタイン達に報告しろ。」
「了解!?」
「で、僕がこのプログラムを改造すれば、あいつらは少なくてもここを責められなくなるだろ。」
「そうだ。お前がそれを実行するんだ。もししなければ俺が決して許さないからな。」
「分かった。僕の契約能力の条件を発動して、改造して見せるよ。だから、ジョンソン。君は無事に帰ってくれ。」
「あぁ。俺は無事にお前らの元へ帰るからな。」
俺はあいつらが無事にプログラムを改造できると信じながら、これからあいつの妹を殺す為にあいつのいる場所へと向かった。
―――僕はジョンソンに頼まれた事をやり遂げるしかない。
僕が出来る事はプログラムを上手く改造する事である。
プログラムを上手く改造すれば相手から情報を盗られなくなるし、こちらが有利になる事は間違いなく来る。
だが、この部屋に僕の能力を発動できる者があるのか分からない。
―――何故なら、僕の能力発動条件は『IT機器の電源をオンにすることだからだ。』
その条件を発動できるかどうか解らないのはここがアビーム大統領は盗聴を恐れてか、IT機器を発動できるものがなく、他の部屋でも無事にあるのか俺には解らないからだ。
「なぁ、アビーム大統領。貴方はIT機器を持っているなら僕に貸して欲しい。」
「まさか、お前が能力者でそれの能力の発動条件か。」
「当然だ。僕はプログラム書き換えを能力としているから当然だ。」
僕はIT機器を発動出来れば、プログラム世界を介して改造できると思った。
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