第6話 ぼっちな課外活動

「一応同好会なんだけどさ。現在休業中」

「何の同好会なんですか」

 つい聞いてしまう。


「野遊びの同好会だな。その辺をハイキングしたり、野草を採って食べたり、キャンプしたりする感じだ。

 ただ部員が現在私1人だけでさ。このままだと4月いっぱいで廃部予定」


 それは悲惨だ。


「去年は3年生が5人いたんですけれどね。皆高等部なり外部進学したりしていなくなってしまったんですよ」


「この現状だから中途半端に新規募集するのも申し訳ないしな。まあ部活はなくなっても先生と個人的に続ければそれでいいから。失うのは活動費くらいかな」

 さらっと悲壮感なくそんな事を言う。


「取り敢えず何人必要、って規定があるんですか」


「同好会が3人以上。部だと5人以上かな。

 ただ同情で入ろうとするなよ。野外活動は好きな奴で無ければただの拷問だ」


 あ。

 さらりと釘を刺された。


「課外活動は今日配られたパンフをじっくり読んで、それから考えて下さいね」

 先生にも。


 ただこういう気遣いが出来る人は嫌いじゃない。

 先生も先輩も。

 だからちょっと趣向を変えて質問してみる。


「ならおすすめの課外活動ってありますか」

 2人ともちょっと考える。


「うーん、先生の立場としてはパンフをよく読んで、見学してみてから自分に合う活動を決めて下さいというところです。3年間やる訳ですから慎重に考えて下さいね」


「先輩としては先生では言いにくいところを言おうか。

 2人ともこの学園は中学からだろ。なら内部生ばかりの活動は止めた方がいい。

 見分け方はパンフレットをよく読むこと。

 活動として一般的でない事を書いてあるとか。

 ウィキペディアにしか載っていないような一般的でない単語を使っているとか。

 そういうところは避けた方がいい。あれは内部生専用みたいなものだからな。まあそんなところだ」


「本当は先生としてそんな事はないと言いたいのですけれどね。内部生はどうしても自分達だけでかたまる傾向があるんです。

 そういった傾向を無くして一般的な社会になじませるため、学校の体制を変えて移転までしたのですけれどね。まあ先生がここに来る前の話ですけれど」


 うん?

 ちょっと引っかかるというか知らない事を聞いたような……

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