第22話 初詣ハイキング

第347話 今日のお昼はおにぎりです

 そんな訳で朝8時に寮の前集合。


 僕の服装は服装は一見チノパン、実はアウトドア用の高機能素材というズボンと、上はフリースに薄めの綿入りジャケット。

 つまり街中っぽく見えるけれどジャケット以外はアウトドア用だ。


 着慣れるとアウトドア素材は色々機能的でいい。

 そんな訳で洋服用予算でつい購入してしまったものだ。

 実は下着もあの雪山用を着用している。

 便利なので先生からそのまま購入。

 汗かいても快適だし温かい。

 靴もアウトドア用の軽登山靴。


 彩香さんは制服の上にも着られるグレーのオーバーコートで下はスカート。

 亜里砂さんはどう見ても登山用のパンツと有名アウトドアメーカーのジャケット。

 ザックもフランスの有名アウトドアメーカの派手な小型ザック。

 靴も軽登山用だし、僕以上にアウトドアな格好だ。

 先輩は普通の茶色薄手のダウンジャケットにパンツ、運動靴姿。


「何か亜里砂、完全に染まってきているな」


「この方が機能的だしラクなのだ」

 うん、亜里砂さんの言い分が良くわかる。


「今日はそれほどハードなコースじゃ無いから彩香の格好で充分大丈夫だぞ。まあそんな訳で出発するとするか」


 そんな訳で駅まで歩き始める。


「そう言えば今日、ちょっと頑張っておにぎりを8個作ってみたんだ。だからもし用意していない人がいたら一緒に食べよ」


 彩香さんがそんな事を。


「いいの?確かに僕、途中でパンを買うつもりだったけれど」


「おせち料理教室の時、七橋先生に正しい日本式おにぎりの握り方とか、にぎり寿司の作り方も習ったの。だからやってみたくて」


「私もいただきたいのだ」

 亜里砂さんも便乗。


「なら御飯は彩香のおにぎりをいただくとして、おかずになりそうなものを3人で買うか。私も実は買うつもりだったしさ」


 そんな訳でコンビニに立ち寄って、大きめの鶏の唐揚げを4つ買う。

「これとおにぎりでちょうどいいだろう」

 さらに茹で卵4個買って店を出る。

 私鉄の駅前を通ってちょっと行けばJRの駅だ。


「切符なら170円な。北鎌倉駅まで行く」

 全員ICカードを持っていた。

 彩香さんのは夏に亜里砂さんの家に行った時に作ったもの。

 これを使うと喋る機械と少しでも接しなくて済むからだそうだ。


 ちょうどこの駅始発の電車が来ていたのでそれに乗り込む。

 全員が座ったところで先輩は紙を取り出した。

 それぞれに配る。


「今日のハイキングコースだ。コースタイムはあくまで目安な」


 北鎌倉の駅を出てしばらく行って北上し、尾根沿いに大平山まで行って、天台山を回って鎌倉市街に下りてくるルートだ。

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