第6章 カヤック体験は清流で

第89話 現地に到着

 その後。

 2階からミシンの音が聞こえてきている。

 どうも水着代わりに何かおそろいで作っている模様だ。

 流石に覗きにいけないので確認していないけれど。


 その後1時間くらいで干していたカヤックをひっくり返す。

 暇な時間はスマホで色々今度の旅行について検索。

 更に2時間後にテントとカヤックを畳んでしまう。

 最後にカヌーの漕ぎ方とか判断とかの資料を全員印刷して貰った後。

 先生の車で寮に戻ってきた。


 そして授業2日を挟んだ5月9日土曜日早朝3時。

 僕らは荷物を満載した先生の車に乗車した。


「何なら車の中で寝ていて下さいね。特に川俣さんは川下り午前中だから寝ておいた方がいいですよ」


 と先生がいうので。

 僕も有り難く眠りにつく。

 しかし今日もシート2列で横2人が女子なのにもう平気。

 僕もこの環境に大分馴れてしまった感じだ。


 そして。

 車の振動で目が覚める。

 見ると河原に車を乗り入れている状態。

 車の時計が午前7時を示している。

 もう現地に着いてしまったらしい。


「まもなくテント設営場所に着きます。そうしたらまずはカヤックをを用意して、そしてテントなんかも設営しますよ。向こうの学校はまだついていないようですけれど、多分すぐ来ると思います」


 という訳で。

 出てみると確かにいい感じの場所だ。

 河原は玉砂利系。

 神社などにまいてあるあの小さい石が敷き詰められている感じ。


 川に遊びに行きたいのを堪えて。

 取り敢えず先生と2人で車の後ろから色々荷物を出す。

 女性陣もふらふら車の外に出てきた。 


「おーこれはなかなかいい場所なのです」

「空気も綺麗な感じですね。気温はちょっと肌寒いですけれど」 

「この天気ならすぐに暑くなるのですよ」


 そして荷物を出し終えた頃。

 4WDと記載のある微妙に頑丈そうなマイクロバスがやってきた。

 後部に小さく『秋津学園』と記載がある。

 間違いなく相手の高校の車だ。

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