第88話 質問と回答の時間

 10分ほどで先生が下りてきた。


「質問があったら言って下さいね」


「では私から」

 川俣先輩が軽く手を上げる。


「食事の買い物とかそれ以外の買い出しとかは特にしなくてもいいんですか」


「食事は私が一括で買い出す予定です。だから心配はいりませんよ。ただ男子は短パン、女子は水着を持ってきて下さい。あとバスタオルと着替え2回分以上。濡れても汚れてもいい服装でお願いします」


 短パン、バスタオル、着替え2回以上だな。

 用意そのものはこの前の先生宅合宿と同じでいいかな。

 水遊びだから短パン2枚用意した方がいいだろうか。

 

「この予定表のカヌーの乗員はこれで決定なのですか」

 計画書を見ながら未亜さんが質問。

 計画書には既に名前と組み合わせ、乗る時間がきっちり書いてある。


「一応決定のつもりです。基本的には2回、違う相手違う種類の舟でという感じで組んでいます。二人乗りカヤックは重い人が後の方が操縦性がいいので、うちが前になるのは勘弁して下さいね」


 僕の場合は男の先輩2人がそれぞれ相手。

 こぐ番は土曜夕方と日曜午前だ。


「あと、何故浜松の方まで行くのでしょうか。この辺でもカヌーが下れそうな川はいくつかあると思うのですけれど」

 これは未亜さんだ。


「確かにそうなんですけれどね。例えば相模川も水量的には全然問題無いし、実際相模川でカヌーをやっている人もけっこういます。多摩川の上流等もそうですね。


 ただ、今度行く川はとにかく綺麗なんです。そして流れも適度に速かったり曲がっていたりして楽しいんです。瀬とかもあるのですけれど、初心者でも本気でやれば大丈夫な程度ですし。

 まあその辺りは期待していて下さいね」


 そう言われると期待せざるを得ない。

 美洋さんは早くもスマホで色々検索かけ始めた。


「あと先生、この辺で安く水着を売っているお店ってありませんか。学校指定のしか持っていないんですけれど」

 これは彩香さん。


「先生ので良ければ貸しますよ。それに水の中に入れて透けなくてべたつかない服だったら何でもいいんです。まだお店にはシーズン的に水着はあまり出ていないと思いますから。

 ちょっと上で色々相談しましょうか」


「あ、なら私も確認したいのです」

「私もお願いします」

 未亜さんと美洋さん

「なら皆で、取り敢えず上で相談しましょうか」

 先輩を除いて女性陣は階段を上へと去って行った。


「先輩はいいんですか」

「こういう時用にちゃんと持っているからさ。大丈夫大丈夫」

 なるほどな。

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