第42話 学校内から採れる山菜
そんな感じで色々写真を見ていたところ。
ノックして川俣先輩が入ってきた。
そして入ってくるなり。
「よし、早速だが実戦いくぞ」
と言って、棚から革手袋や大きいカゴを取り出す。
「何処へ行くんですか」
「学校の裏側。色々な食べられる野草を確認だ。カバンは置いていっていい。所要1時間ってところだからな」
そんな感じでいきなり出発。
学校を出て林道とは反対側の方へと歩いて行く。
「林道側はボランティアが色々整備していたりして煩いからな。こっちが採取するのは誰も文句が出ないような処中心だ。例えばこの辺。
校舎と校舎の間で日差しが入る斜面。
そこに円に近い特徴的な形の葉っぱが群生している。
「これはフキ。うまく使えば冬以外は使える大変便利な群生地だ。学校がこの辺を切り開いたから出来た群生地。なのでいくら採っても文句は言われない。今日は採らないけれどな」
「何故採らないんですか。こんなにいっぱいあるのに」
美洋さんが採りたくてうずうずしている感じ。
「今採っても食べるようにするには結構手間かかるからな。放課後の時間だけじゃ無理だ。なので今日は基本的には見るだけ」
「うーん、わかりました」
美洋さん、一応納得した模様。
でも目が色々狙っているような。
「そしてこの日陰部分に入ると、例えばこれ」
先輩は葉っぱを1枚とってこっちに渡す。
「この匂いをと形を覚えておけ。これがミツバ。あの汁物に入れるミツバの野生種だ。これも葉っぱが出ている限り使える優れ物。
これはうち以外にもちょこちょ採っている人がいるけれどな。なくなりはしないから大丈夫」
何かそこら中の雑草が食べられそうな錯覚がしてきた。
「あと向こうの日向に生えているたんぽぽとかカラスノエンドウ。あの辺はどう見ても食べられそうだから省略。実際カラスノエンドウは野菜代わりに色々便利だ。茹でて良し炒めて良し。ただ虫がつきやすいから採る時注意しろよ。
あとヨモギも食えるんだが色々面倒なのでうちは採らない」
更に学校と山の境目部分へ。
ちょっと尾根っぽくなっている処で先輩は立ち止まり、にやりと笑う。
「そして山菜と言えばお約束。これが典型的なワラビだ」
「どこですか」
「これこれ」
しゃがんで指を指す先に頭をうなだれたような形の植物が生えていた。
「これも面倒だから今日は採らない。そして本日の味見予定は」
更に歩いて行って、谷間っぽい感じの場所で先輩は立ち止まる。
「これが本日のメイン味見対象、クサソテツだ。
山菜としてはコゴミと呼ばれている」
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