第330話 雪山前日
そんな訳で授業終了日の12月23日。
終業式を終えて学校は修了。
そのまま寮に戻って用意済みの着替えその他を抱えて集合。
車に乗り込んで先生の自宅へ。
途中でスーパーにも寄って色々買い出しをする。
「雪山で行動中はきちんとした昼食を取れませんので、行動食を各自選んで下さい。音階は1日目の昼と2日目の昼の2回分です。ス●ッカーズでもカロ●ーメイトでも。私としてはちまちま食べられるものがおすすめです。私の仲間の例ではコンデンスミルクのチューブとか、サラミソーセージとか、5個入りミニクリームパンとかそんな感じですね。ポケットかウエストポーチに入れるのでサイズも考えて下さいね」
僕は安直にミニクリームパン5個入りとミニチョコパン5個入りを選択。
彩香さんはソイ●ョイもどきを色々な味で4本。
美洋さんは悩んだ末、小さい個別パックされたマドレーヌ等の焼き菓子を6個。
未亜さんは砂糖がまぶされたミニドーナツ大量の袋。
先輩はチーズ入りかまぼことチーズ入りソーセージに裂けるチーズ。
ちなみに先生はコンデンスミルクのチューブ大だった。
あとは1日目朝食、夕食、2日目朝食の買い物も。
朝食は各自弁当等を適当に購入。
夕食と2日目朝食は先生作の材料表に則って買い集める。
タマネギに豚肉にトマトに……。
更に乾燥野菜類も色々購入。
「これはカレーか何かですか」
「カレーでは無いですね。まあお楽しみに」
ちょっと想像がつかない。
先生宅についたら、皆で装備を再確認してザックに詰める。
先輩が中心で、先生は2日分の食事の下拵え等してから参加。
今回は防寒着等の分荷物が多い。
いつものディパックサイズでは自分の荷物すら入りきらない。
そんな訳で彩香さんも美洋さんも未亜さんも先生にザックを借りた。
ただザックは大きさが揃わなかったようで、それぞれ大きさが違う。
彩香さんのは35リットルというディパックより一回り大きい程度のザック。
美洋さんのは50リットルの僕らと同じサイズ。
未亜さんのは65と結構大きいサイズ。
ちなみに先生は72リットルのザック、大学の登山部で使っていたものだそうだ。
「この大きさが大学の登山部の男子学生の標準クラスですね」
そう言えば前にそんな事を聞いたような。
「テントは1つで大丈夫なんですか」
「今回は寒いのでぎゅうぎゅうに詰めて寝ます。人間は上半身の方が幅を取るので、それぞれ頭と足を互い違いにして寝れば、案外大丈夫ですよ」
足が臭い人がいたら大変だなと思ってすぐ気づく。
どうせ寝袋とカバーの二重構造の中だから匂わないか。
そんなこんなで荷物を詰める。
でも当然ザックの容量に応じて詰められる量が違うわけだ。
「悠君、悪いけれど今期は未亜さんのザックと交換でいいでしょうか」
つまり僕の荷物に大物が入るということか。
「いいですよ。大きい方が入れるのも楽ですし」
実際の処そうなのだ。
割と大は小を兼ねてしまう。
小さいザックは入れるのも工夫が必要だが大きいのなら詰め込めばいい。
まあ背負い心地とかもあるけれど。
「それでは悠のザックをお借りするのです」
未亜さんが僕のザックを受け取る。
他にも彩香さんのザックが小さくて自分の寝袋とカバー、雨具に食器に行動食で目一杯ぎりぎりだとかあったけれど。
何とか全員の重さのバランスをとりつつ詰め終わった。
風呂に入った後、先生がささっと作った麻婆豆腐をささっと食べて就寝。
明日は3時に起きて3時半には出発予定。
そんな訳でいつもの部屋で皆で就寝。
ただ……
「明日には雪山だと思うと、なかなか眠れないですね」
「遠足前の小学生状態なのです。私もなのですけれど」
「まあ先生以外は車でも眠れるしさ、身体だけは休めておけばいいだろ」
そんな感じでなかなか眠れなかった。
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