第190話 捏ねる、捏ねる、捏ねる
「ここからは只ひたすらに捏ねる。とにかく捏ねる。頑張って捏ねる。
捏ねて滑らかにしたら、4個の山に切り分けて、メロンパンのような形にまとめる。
その間に私はピザ用トマトソースを作っておく。
本日はそこまでだ。
生地を冷蔵庫に入れて寝かして、明日6時頃にキッチンに出す。7時頃には発酵を終えてちょうどいい状態になっている筈だ。
以上、うちの実家のピザ生地の作り方だな。ナン生地も同じように作るから一般的な方法かどうかは知らんけれど」
そういう事は、だ。
「明日はピザですか」
「ああ。冷蔵庫の中から自由に載せて焼く感じで。元々計画はしていたんだ。だから強力粉やイースト、ピザチーズなんてのも用意しておいた。
本当は適当な石があれば、即席でピザ釜くらい外に作りたかったんだけどな。ちょうどいい平たい大きい石が無くてさ。だからここのオーブンで我慢しようかと」
「何か川俣先輩、随分色々料理を知っているんですね」
川俣先輩は中2。
たった1年先輩であるだけなのに、色々な料理の作り方を知っている。
ビリヤニやカレーなんてインドっぽい物からムニエルとかまで何でもという感じだ。
魚もさばけるし。
「うちは父も母も料理が大好きだったからな。何かあると家族全員で作るんだ。だから嫌でも覚えてしまった訳。特別でも何でも無い」
そうなのか。
それにしてもという気がするけれど。
さて、捏ねると言ったがなかなか上手くまとまらない。
多分水分がぎりぎり状態なのだろう。
「何か全然きれいにまとまらないのですよ」
「諦めるな。叩いて伸ばして折ってを繰り返せ。30回やって駄目なら水を大さじ一杯だけ加えることを許す」
なんて若干スパルタ気味にやって。
何とか全員きれいな生地が出来た。
これを打ち粉してラップに来るんで巨大冷蔵庫に入れて。
いつの間にか出来ていたトマトソースを彩香さんの魔法で冷やして冷蔵庫に入れて。
「お疲れ。さあ、風呂入って寝るぞ」
となる。
なお僕は一緒に風呂に入る訳にも行かないので一時休憩。
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