第390話 ネットで検索ショップブランド

 結局アウトドア用品は店では何も買わなかった。

 結論として、中学生が自分で買うにはちょっとお値段が高すぎる。


 そんな訳で亜里砂さん宅滞在の後半戦はまた服やアクセサリの買い物に使われた。

 僕は仕方無くネットを見たり歩いて30分の図書館へ行ったりという感じ。

 それでも御飯をみんなで作って食べたり色々楽しかったけれど。


 そして最終日の夜。

「大手ショップのオリジナルブランドのだと結構安い物もあるようなのですよ。評判も悪くないようなのです」


 未亜さんがそんな事を言ったので、皆で色々見て見る。


「あ、ここザック安い!」

 見ると確かに大手の半額以下だ。

 6000円位から1万円位。

 色はグレーかネイビーと地味だけれど、見た感じでは作りも悪くない。


「50リットルも60リットルもありますし、今まで見た物の半額以下ですね」

「ただここの店限定品だから現物を見るにはこの店行かないと。近くにこのお店はあるかな」

「うーん、あまり近くには無いようなのだ」


 確かに、電車を使わないと行けないような場所しか無い。


「でも背中の作りとかは悪くないよね、これ」

「悠のザックをちょっと確認してみるのです」


 俺のザックを持ってきて比べてみる。

 重さを体重計で測ったり、大きさを比べたり。


「雪山の時はこのザックを使わせて貰ったのですが、全然問題は無かったのですよ」

「私も同じようなザックを借りたのですけれどね、大丈夫でしたわ」


 この雰囲気は間違いない。

 買ってしまおう!という奴だ。


「買うとすればきっと細身の方がいいのです。でも重さがそう変わらなければ、大は小を兼ねてしまうのです」


 おいおい。


「まあちょっと冷静になろう。これは通販の通常価格で在庫も充分ある。だから急ぐ必要は無いだろ」


「うー、でも確かにそうなのです」

「確かに少し頭を冷やした方がいいですね」

 美洋さんも了承してくれた。


 そんな訳でここの店オリジナル商品を見た後、次に別の店のオリジナル商品を色々見て見る。

 そして、今度は僕と彩香さんが捕まってしまった。

 物は寝袋だ。


「快適使用温度3度でダウンで620グラム、これ1万3000円は安くない」

「確かに」


 僕が先生から借りて使っているものより全ての面で性能は上だ。

 しかし。

「残念、在庫無しなのだ」


 ああ、やっぱり上手く行かないか。

 でも在庫無しという事はそのうち生産したりするよな、きっと。

 僕のスマホにここのアドレスを入れておこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る