第391話 帰り道を変更だ
そして翌日朝8時。
「ごめんなさい。どうしてもあのザックが気になるので、行きと別ルートにしていいですか。5キロほど大回りでちょっと坂が増えてしまうのですけれど」
美洋さんからそんなお願いが。
「私も見て見たいな」
彩香さんも自分のザックを持っていない。
「行きは余裕だったので、それくらいの寄り道は問題無いのだ」
亜里砂さんは基本的に楽天的勝つイケイケ主義。
ここでブレーキをかけるのはきっと僕の役目。
でもまあいいかな、それくらい。
僕も色々見てみたいし。
「じゃあ行ってみようか」
「ありがとうございます」
このありがとうございますは美洋さん未亜さん両方からだ。
「そのお店の開店時間にあわせると、何時出発になるの?」
「9時に出れば余裕だと思います」
「なら朝御飯食べて支度すればちょうどだね」
そんな訳で簡単に朝御飯の用意。
今日はパンとハムとチーズとサラダとスープ。
食べた後は軽く掃除をして、ゴミをまとめる。
「ゴミは指定のゴミ袋に入れて、各階にある投入口に入れればいいのだ」
なかなか便利で助かるな。
そんな訳で再び荷物を背負い、部屋前に畳んで置いておいた自転車を組み立てる。
エレベーターで下に下りて、自転車を押して歩道の処で乗り込む。
「それじゃ道案内、宜しく」
「了解なのです、では出発なのです」
帰り兼お買い物ポタリングがスタート。
最初は車通りが少なめの2車線道路の車道を一気に走っていく。
平坦だし見通しがいいしで結構飛ばしている。
20キロくらいは出ているだろうなあと思いつつ一番最後から見ている。
まあ彩香さんも亜里砂さんもその速度で自然に走っているようだ。
特に危なくもないので文句は付けない。
多分走りやすい道を未亜さん達がそれなりに選んだのだろう。
所々交差点で止まりつつも気持ちよく飛ばす。
ただある程度走ったら大きい道路へと出てしまった。
片側3車線の大きい道路で、車通りも非常に多い。
だからここは自転車進行可の歩道をゆっくりとという感じになる。
本当は車道をガンガン飛ばせば速いのだろうけれどちょっと怖いし。
30分くらい走ったところでスーパーの駐輪場に入って一休み。
「調子はどうですか」
「絶好調なのだ。でもちょっと排ガス臭いのだ」
まあ確かにな。
大通りだからしょうが無い。
「もう少しでまた細い道へと行くのです。でも、ちょっと坂があるのです。そこは無理しない方針で行くつもりなのです」
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