第104話 これはガチな魔法です
のんびり夕食を食べていると。
辺りは暗くなってきた。
谷間にあるキャンプ場だから暗くなるのが早い。
ただランタン2つの灯りが結構いい感じだ。
食器洗い等をやってテーブル上を片付けた後。
「明日の会議をします。中学側は全員、着替えとヘッドライトを持って一番大きいテントに集合して下さい」
と指示が入る。
そんな訳で僕も男子用の小さいテントからヘッドライトを取りだしてテントへ。
六角形のテントは座るだけなら6人でも余裕。
見回すとテントに入ったのは僕が一番最後。
そして先生はテントの入口の丸い部分を閉じて。
ごくごく小さい声で話す。
「これから行く場所は他の人には秘密です。説明は後でしますから。それではヘッドライトを消して、目を閉じて下さい」
何だろう。
何か宗教じみた感じだなと思いつつも。
僕は言われたとおりヘッドライトをオフにして目を閉じる。
「目を閉じましたね。では小暮先生、お願いします」
その言葉が聞こえた直後。
ふっと浮遊感がして。
そしてまぶたが光を感じた。
「もう目を開けていいですよ」
目を開ける。
玄関だ。
いわゆる家の玄関。
今いるのは玄関の靴を脱いで上がったところ。
目の前に廊下と階段があり、右に引き戸がある。
さっきまでテントの中だったのに。
訳がわからない。
ただ。
彩香さんが驚いたような目で色々観察している。
ただ驚いている他の面子とは少し違う様子で。
そして小さく頷いた。
「この空間は魔法です。間違いなく魔法の力で出来ています」
魔法、と確かに言った。
「どういう事なのですか」
「この家のような空間を作り上げたのは魔女だという事です。それもかなりレベルが上の存在。おそらく『創世』とかに関与するレベルの大魔女クラスの力が関わっています」
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