第36話 帰りに採取の説明です

 食べ終わったら荷物を整理して帰る準備。

 洗濯物もしっかり乾いていた。


 ただ個人的には。

 女子の下着も僕の下着も一緒くたに干すのはどうかと思う。

 僕以外は特に気にしていない様子だったけれど。


 2階は。

 生活用に使っている1室は見ていない。

 でも残り2室は装備を入れたり洗濯物を干したりするのに使っているようだ。

 テントも他に2つ。

 ザイルやら金属製の杖やら何やら危険そうなグッズも置いてあった。

 そういうハードな活動もやるのだろうか。


「帰りは今回の野草を採った現場を案内しながら送りますね」

 ということで車に乗る。


 車はやっぱり工務店的な感じ。

 中は3列シートで9人乗れるそうだ。

 でもシートそのものは折りたたみ出来る簡単なもの。


「この車、いざとなったらシートを畳んでテント代わりにも出来ますし便利ですよ。ディーゼルだから燃費もまあまあだし、四駆だけど小回りも効きますし」

 でも中はとっても簡素だ。


 まず助手席は先輩が座る。

 そして2列目に竹川さんと栗原さんが乗って。

 僕は3列目に乗ろうかなと思ったら。

 栗原さんが自分の座っている横を叩いて。

「ここ、まだ座れるよ」

 なんてアピールする。

 なので仕方なく横へ。


 女の子でぎっちりというのをまた感じながら。

 扉を閉めて車は発進する。


 車が走ってまずついたのは開発途中の住宅地みたいな造成地の端っこ。

 先生が車を停めて説明する。

「こういう開けたところと林の中間みたいなところ。こういう場所に結構美味しい野草が多いんですよ。

 例えばそこに棒のようにいっぱい立っているの、あれがタラの芽ですね。

 もう少し先に行けばコシアブラの大きい木が何本かあります。そこで今回の天ぷら用は採りました。

 あと造成地側の太い緑の雑草。あれがギシギシですね。スイバも同じようなところにありますよ」

 そう説明。


 また車は走り始める。

 今度は狭い道をぐるぐる走る感じで進んで行き。

 堤防が見える駐車場まで来た。


「ここが水戸浜と言って、私がよく釣りに来る処です。もう少ししたらサビキで小魚がいっぱい釣れますね」

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