第37話 竹川さんのお願い

 他にも菜の花が咲いている川沿いとか。

 色々案内して貰って学校に着いたのは午前10時過ぎだった。


「今回のはあくまでお試し。入部は他のところとも比べてよく考えて下さいね。

 じゃあまたね」

 先生のでっかい箱形の車はそう残して去って行った。


「じゃあな」

 先輩もあっさり寮の方に帰っていく。


 残った僕達3人はちょっと顔を見合わせる。

「ちょっとお話しをませんか」

 と竹川さん。


「そうだね」

 と栗原さんも同意。


 という事で当然僕も頷いて、3人でカフェテリアへ。


 ここは学校施設なので別に何も注文しなくても大丈夫。

 というか男子生徒と女子生徒が休日に話を出来る場所はここしか無い。

 学校外へ出かければ別だけれど。


 窓際のテーブルを確保。

「『野外活動部』の活動どう思いました。私はとても気に入ったのですけれど」

 と竹川さんが口火を切る。


「私も楽しかったです。今朝の野草も美味しかったし。ただちょっと体力的には不安かな。ハイキングは私が足を引っ張った感じだったし」


「初心者にはちょっと長めって先輩が言っていたしさ。それに時間そのものは予定通りだったし心配ないと思うよ。コース長めなのは先生の自宅到着ありきの合宿だったから、ちょっと無理したんだろうし」


 竹川さんも頷く。

「私もそう思います。釣りとか野草採取とかはそんなに体力を使わないでしょう。車で回るみたいですし」


「なら大丈夫かな。先生も先輩もいい人ですし、活動そのものは楽しそうだと思う」


 栗原さんのそんな返事に竹川さんは頷いて、今度は僕に聞いてきた。

「仲代君はどう思います」

 

「文句なく楽しかったですね。何か学校の廻りの木や草も食べられるかな、なんて思ったし」


「良かった」

 竹川さんはそう言った後。

「ならお願いがあります」

 そう言って僕と栗原さんの方を見た。

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