第39話 取り敢えず入部
月曜日から普通の授業が始まった。
授業は午前中4時限午後2時限の6時限が基本。
でも1年生の月曜は5時限、14時まで。
この学校は清掃は生徒では無く業者任せ。
なので授業が終わって出る準備をしていると、前の扉から竹川さんが入ってくる。
いや、今は竹川さんでは無く美洋さんと呼ぶべきか。
教室内のかなりの人数が彼女を注目したのを感じた。
彼女は持ち上がりの中では有名人らしい。
一番前の波積さんや隣の榊さんに挨拶を返しながら僕と彩香さんの間位まで来て。
「早く行きましょう。実は朝からずっと待ち遠しかったんです」
という訳で。
注目を集めつつ僕と彩香さんは半ば美洋さんに引っ張られる感じで教室を後に。
本日は2年生は6時限目まで。
だから 理化学実験準備室は草津先生1人だった。
「こんにちは」
「こんにちは。どうぞ適当に座って」
カバンをいつものソファーに置いて美洋さんは先生の前へ。
「先生、正規の入会届はありますか」
「あらあら早いですね。他にも色々ありますけれどいいんですか」
そう言いつつも先生はパソコンを操作する手を止め、引き出しから紙を取り出す。
「ただ4月いっぱいは仮入部という扱いになりますけれどね。これは学校の規則で、4月中は色々な活動を見て欲しいという考えでですけれど」
そう言って先生は僕達に紙を渡した。
『課外活動入会届』と題のあるA5サイズの紙だ。
それぞれにクラスと出席番号、氏名、性別等を記入。
美洋さんがまとめて先生に提出する。
先生は頷く。
「確かに受け取りました。野外活動部へようこそ」
そう言って一礼して後ろの棚からノートパソコンを取り出した。
前に川俣先輩が使っていたものだ。
「パソコンの使い方はわかりますか」
美洋さんと彩香さんの視線がちょっと泳いだ後。
2人の視線が僕の方へと集中した。
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