第382話 1年生ポタリング ~到着まで

 未亜さんが海鮮丼1500円。

 亜里砂さんがまぐろ中落ち定食1100円。

 美洋さんがアジ刺し、釜揚げしらす、マグロすき身丼900円。

 僕と彩香さんがまぐろ中落ち丼800円。


 豪華なのは一番高い海鮮丼で、まぐろのかなりいい部位まで入っている。

 でも一番インパクトがあったのは亜里砂さんの中落ち定食。

 とにかくまぐろの赤身が大量に入っている。

 でも一番安い僕と彩香さんの中落ち丼だってそれなりに量はある。

 付け合わせに唐揚げまでついている状態だし文句は無い。


「なかなか量があっていい感じなのだ」

 ちなみに亜里砂さんの定食はおかわり自由。

 普通に食べていたらまぐろが余る状態だ。

 少しずつお互いに中身を交換しながら食べ尽くす。


「これならまあ満足なのですよ」

「結構食べたね」

 満足して自転車置き場へ戻った。


「残りはどれ位かな」

「だいたい10キロ、順調にいけば1時間かからないのです」

「自転車だと思ったより近いね」

 そんな事を言ってまた自転車に。

 広い歩道を気持ちよく走る。

 シートカバーの効果かお尻はまだ大丈夫。

 道も平坦だし走りやすい。

 そして。


「前はこの駅まで歩いたのだ」

 新杉多駅を通過。

「やっぱり自転車だと速いよね」

 相変わらず走りやすい太い歩道を快調に飛ばす。


 さらに先、歩道が切れたところを左折し、線路の下をくぐる。

 少し行くと道の反対側が川になった。

 更に先、太い道との交差点を横断歩道を登って越えたりして。

 進んで進んで川沿いの細い道まで来た。


「あとはこの川沿いに行けばみなとみたいなのです!」

「なら途中買い物をするのだ」

 亜里砂さんがそう宣言。


「なら先頭は任せます」

「了解、ここなら多分わかるのだ」

 亜里砂さん先頭に交代。

 でもその前にちょっと聞いておこう。


「まさか買い物って牛丼とマックじゃないよね」

「ぎくっ。何故わかるのだ」

 やっぱり。


「そう言えば夏に歩いて帰ろうとした時、その2つを買って帰ろうとしたよね」

「疲れた後のあれは良いものだ」


 ここで全員で相談。

 郷に入っては郷に従え派と、あれだけ食べた後じゃないか派。

 それぞれしばし話し合った結果、4対1で買って帰る派が勝利した。

 ちなみにこの4対1の1とは僕だったりする。

 でもまあ、亜里砂さんの案内に従って牛丼屋とマックに立ち寄って購入。

 美洋さんと未亜さんの自転車は前カゴ付きなので中に入れて貰う。


 そんなこんなで午後2時前に無事あのマンションに到着した。

 自転車置き場に部外者の自転車を止めるスペースは無い。

 だからマンション内まで押して入り、エレベーターに乗せ、亜里砂さんの部屋の前で折りたたんで鍵付きワイヤーで止める。

 亜里砂さんの家は一番端なのでここに置いても他の人の邪魔にはならない。

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