第78話 まずはハイキング部分から

 そんな訳で土曜日の朝10時。

 いつもの通り厚生棟前に先生を除く5人が集合した。


「まずはこれ。先生から借りた食器セット。形は違うがそれぞれ大小2つずつになっている。折りたたみスプーンも入っているので今日はこれで食べる」

 という訳で食器が配られる。


「そして悠はこれを分担な」

 ちょっと重いスーパーの袋を渡された。


「これは何ですか。ヨーグルトは見えますけれど」

 大きいヨーグルトが2パック入っているのは見える。


「料理は上まで内緒だな。ヨーグルトと保冷剤、あとは調味料色々を入れた瓶だ」

 ディパックに入れると結構重い。

 水の大きいペットボトルよりちょい重い位かな。


「あとはこれ、お馴染みビニールシート」

 これはジャンケンの結果美洋さんがデイパックに入れる。


「目的地の双子山まで約1時間。そこで飯を食べて帰りが40分。それだけの行程だ。 行くぞ皆の衆」

 という訳で行程開始。

 まずはこの前と同じ林道歩きだ。


「ここはやっぱり気持ちいいよね」


「でもそろそろ虫とか出てくる。だから次は秋の終わりくらいかな。暑い時期はあまりこの先まで歩きたくない」


「そうですね。もう今日の気候でもちょっと暑くなりそうかな、という感じです」


 そんな感じで歩いて行って。

 林道の終わり、ベンチがあるところまで歩いて20分位で着いた。


「この前はここも結構遠い気がしたんですけれどね」


「身体が馴れてきているんだろう。さて、今回はこの前以上にえぐい登りがあるぞ」


「脅さないで下さいよ」


「乞うご期待」


「大丈夫かな」

 そんな事を言って、この前と違って左側の沢沿いの道を進む。

 しばらく歩くと確かに登りになる。


 でもこれくらいは普通の登山道だ。

 彩香さんも特に問題無く登っている。


 そう思ったら。

 道が崩れてロープが張ってある場所が。

 そしてさらに崖にロープみたいな場所も。


「こういうのがちょくちょくあった方が飽きないでいいだろ」


 先輩がニヤニヤしながら言う。

 でも確かにそうかもしれない。

 彩香さんもまだまだ大丈夫そうだし。

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