第154話 豪華に出来上がりました

 ここまで材料に恵まれると。

 もう自分のチーム分だけというセクト主義にこだわる必要も無い。

 なので出来る人全員で寄って集って夕食の形に持っていく。


 今回は野菜代わりの野草類も色々だ。

 ツユクサ、マツヨイグサ、カラムシ、イヌビユ、それに今朝も採ったツルナ。

 先輩が百合の花なんてものまで摘んできている。

 確かに魚ばかりだと野草が食べたくなるものだ。

 流石川俣先輩、そして先生方。


 刺身に揚げ物に焼き物煮物と色々やった結果。

 しっかり時間はかかったがとんでもなく豪華な夕食が完成した。


 メインは刺身だ。

 普通の刺身だけでもう10種類以上ある。

 同じ魚の部位違いもあるのかもしれないけれど。

 イカが明らかにほかと違った雰囲気を放っていて美味しそうだ。


 後は小魚丸あげシリーズ。

 これはあげただけのモノの他、南蛮漬けバージョンもある。

「二度揚げしていますから、骨まで食べられますよ」

 との事だ。


 揚げ物と言えば天ぷらシリーズもある。

 野草の他、小魚を下ろしたものも色々。


 そして煮物も3種類。

 更に貝の酒蒸しだのみそ汁もついている。


「流石に今日の獲物全部だと量が多いですから、一部は明日以降用、あと保存用にもしましたよ」


「保存用はどんな料理ですか」

 この質問は理奈さんだ。

 

「南蛮漬け、小魚佃煮系、煮貝、ソーダカツオとスマのなまり節、あと野草の一部は茹でた後冷凍してあります。天気が悪くて外に出らてない時もあるでしょうから。明日以降も色々釣れたら干物も作りましょうか」


 何か楽しみだ。

 という訳で。

「いただきます」


 最初の一番人気はやはりコウイカだ。

 明らかに他の刺身と違う感じに見えるし。

 でも僕はあえて自分が釣った黒鯛から。

 うん、間違いなく美味しい。

 ぷりぷり通り越してちょいハードな身を噛みしめる。

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