第145話 ついに到着!無人島

 そんな訳で。


 彩香さんは味噌団子を20個作ってセルビン内に入れて。

 僕は最初に使う仕掛けと釣り竿、そして網とオイスターナイフを準備して。

 美洋さんと未亜さんは、最初は野草の採取らしい。

 バケツとかハサミとか軍手とか地味に準備している。


 高校組の方もこっちにつられてか準備を開始した。

 男子2人組は最初からシュノーケリング&銛装備のようだ。

 高校女子組はよくわからない。

 網とかドライバーとかあるので最初は僕と同じ岩場狙いだと思うけれど。

 先生2人は余裕の様子見か。


 まあそんな感じで。


「まもなく到着。付近に漁船等無し。人影なし。律化、例の魔法をお願い」

「了解だ」

 律化先輩が透里先輩に頷いて。

 そして右腕を高く上げて軽く振った。

 何かふわっとした気配に覆われる。


「とりあえず仲間内以外には見えないし気づかれない。そんな魔法をかけておいた。非常時は『まずい』と本気で思った時点で魔法が切れると共に、私と透里に非常信号がくるようになっている。あとこの家も仲間内だけは見えるように設定変更した。そんな訳でよろしく」


「という訳で」

 ふらっと家が揺れた感触。

「到着だ。無人島にようこそ」


 どれどれ。

 例によって美洋さんと、それを追いかける未亜さんが真っ先に飛び出していく。

 未亜さん毎度ご苦労様だ。


 あとはごそごそとそれぞれの装備を持って出ていく。

 僕も彩香さんのセルビンを入れた袋を片方持って外へ。


 太陽が眩しい。

 雲ひとつ無い空。

 そして海が青い。

 手前は水色に近い感じで、奥は藍色系統の深い青。

 足下は小砂利と砂の白い浜辺だ。


 美洋さんは作戦無視で海水浴中なのが見えた。

 我慢出来なかったらしい。

 普通の服を着たままだ。

 未亜さんが『あーあ』という顔で見ている。

 こっちも泳ぎたい気もするけれど、まずは作業。


「岩場はこの先、あの見えているところでいいんだよね」

「うん。あそこでセルビン仕掛けて、後は貝とか採取」

 50メートルも歩けば第1目標の岩場だ。

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