第244話 勉強会も終盤戦

 そんな訳で。

 かなり大量にあった料理もあっさり全滅して。


「美味しかったのだ。こんなの出されるとベジョータさん餌付けされてしまうのだ」

 亜里砂さんがそんな事を言っている。


「亜里砂は何か課外活動入っていたっけ」

「風来坊のノンポリの独立派なのだ」

 つまり無所属と。


「何ならうちの野遊び部に来るか?9月終わりにはドングリ拾い兼ハイキングとか、クルミ拾いと河原の野草採取とかやるけれどさ。お昼や時には夕食朝食付きで」

 川俣先輩が勧誘をかける。


「うっ、なかなか魅力的なお誘いなのだ。ちなみに昼食はどんな感じなのだ?」 

 そこで昼食を気にするところが亜里砂さんだ。


「ハイキングの方はビリヤニを仕込んで持っていこうと思っている。クルミ拾いの方はまだ考えていないな。涼しければば河原でバーベキューなんてのもいいしさ」

 しれっとそこで美味しそうなメニューが出るのが川俣先輩だ。

 その結果。


「ううー、魅力的すぎるのだ。ちょっと冷静に考えさせて欲しいのだ」

 亜里砂さん、かなり迷っている様子。


「何ならいつでもメンバーの誰かに言ってくれ。あと勉強会、そんなに根を詰めるなよ。1日になんでも詰め込むなんてのは無理だしさ。何回かに分けてやった方が効率はいい」


「了解なのですよ。今日は3時のおやつで解散予定なのです」

 未亜さんは元々そのつもりだったようだ。


「なら良しと。それじゃ、次は3時のおやつな」

 ゴミとタッパーをささっとまとめ、先輩は出ていった。


「それにしても、今の昼食はお代はいくらなのだ。普通に仕出しを頼んだら結構すると思うのだ。香辛料は結構高いしマトンもちゃんとしたのを手に入れるのは結構大変なのだ」

 喰意地が張っている分亜里砂さんはその辺を良く知っているようだ。


「今回は川俣先輩持ちだってさ。後輩が真面目に勉強しているからサービスだって」


「それはそれで申し訳無いのだ。なら今度、ちょっと何か考えておくのだ」

 というところで。


「それでは午後の部を開始するのですよ」

 未亜さんが容赦無く勉強開始を告げる。


 ◇◇◇


 そして。

 一通り終わった後、美洋さんと亜里砂さんは最初にやったテストをもう1回挑戦。

 結果。


「うわ、ベジョータさんもすらすら解けるのだ」

「本当です。考えなくても自然に解けます」

という状態になった。


「数学なんて一番簡単なのですよ。覚えるべき事なんてそんなにないのです。要は解き方に慣れるだけなのです。ただ1日で詰め込んだ分忘れやすいから、復習はしておいて欲しいのです」

 そう未亜さんが宣言して。

 勉強道具を片付け終わったところでドアがノックされた。

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