第252話 予習もしっかりしておきます
「もし天気が良ければ次の日に第2弾をやるからな。先生お勧めの某中規模河川の河原でクルミ拾いだ。クルミはアクがすごいから捨ててもいいくらいの服を着用した方がいい。それで28日の朝7時に学校へ送って貰って解散だ。先生は期末休みの間も仕事があるからさ。そんな感じだ」
「野生のクルミですか。どんな味なのですか」
「普通のミックスナッツに入っているクルミと変わらないぞ。ちょっと小さめだけどさ」
そう言ってもあまり食べた記憶は無いなあ。
少なくとも僕は。
「まあ他にも河原で採れそうなものがいくつかあるけれど、それはお楽しみってところだな。計画は明日にでもプリントにしておくよ」
「お願いします」
「私もよろしくなのだ」
完全に亜里砂さん、参加する気になっている。
「さて。今日はそろそろ撤収。明日は河原なんかに多い野草を調べてみてもいいし、自転車で銀杏が落ちていそうな処を走ってみてもいい。ハゼ釣りもそろそろシーズンだけれど、あれは2泊3日から帰った後にやってもいいかな。先生に竿と仕掛けを借りてくれば簡単だからさ」
そんな事を言いながら広げた銀杏をドラフターの中に新聞紙ごと入れて。
ボールやカゴ等を片付けて。
今日の活動を終了する。
◇◇◇
翌日9月24日木曜日は残念ながら雨。
それでも亜里砂さんと美洋さんは傘をさして、学校校門付近にあるイチョウの木から銀杏を拾ってから資料室に来た模様。
ビニル袋に20粒ちょっとの収穫。
「雨でいい感じに落ちていたのだ」
「これもなかなか楽しいですね」
そんな事を言いながら2人で手袋はめて処理している。
もうこの匂いも慣れてしまった。
そして残りの未亜さん、彩香さん、僕はネットで調べ物。
他に秋はどんな物を採ることが出来るか探している。
「ジュズダマは河原や水辺にあるかもしれないね」
「あれって食べられるのかなあ。硬そうだけれど」
「プライヤーで殻を砕くみたい。何処かの理科の先生がWebで書いてる」
とか。
「同じく河原に小豆の原種があるみたいなのです。きっとこれが川俣先輩の言っていた美味しい小豆なのです」
とか。
「キノコはやっぱりやめた方がいいですか」
「ごめんなさい。私自身がちょっと判別付けられる自信が無くて」
「アケビとかムカゴとかは学校の裏山の方がありそうですね」
「イチイとかカヤとかはこの辺には生えているの見た事無いな」
そんな感じに色々調べて。
金曜日は晴れ。
そして土曜日の朝を迎える。
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