第33話 質問の時間です

 なので椅子に座ってテレビのニュースを見ながら。

 キッチン全体や先生の作業をぼんやり眺める。


 キッチンは比較的いい作りだと思う。

 ガスが3口あったり作業台が広かったり。

 冷蔵庫もうちの実家の物より大きい。

 そしてガスにかかっているのは1つは多分御飯の鍋。

 1つはヤカン。

 1つは天ぷら鍋と思われるが火はついていない様子。


「本来のキャンプなら朝御飯も作るんですけれどね。今回は川俣さんと採取した野草等のストックがあるので、お試しで色々食べて貰おうと思っています。

 ただ天ぷらとかは揚げたてが美味しいので、皆が起きてから調理ですね」


「色々ありがとうございます」


 先生がにこっと微笑む。

「こういう採取物は捕るのも楽しいですけれど、皆で食べるも楽しいんですよ。美味しいとか不味いとか色々言いながら」


「そういう食べられる野草って簡単に採れるものなんですか」

「ええ、場所さえ知っていれば。後で皆さんを案内します」

 なかなか楽しそうだ。

 ちょっとこの活動にはまりそうで怖い。

 そして先生はヤカンからお湯をそそいで紅茶をいれる。

 香りがふわっと辺り一面に漂う。


「川俣さんがいい紅茶を持ってきてくれるんですよ。実家からの差し入れと言って。これもきっと日本で買うと高い葉っぱなんでしょうけれどね」


 そんな事を聞いた時。

 ふらっと川俣先輩が入ってきた。

 お茶の香りにおびき寄せられたような感じで。


「おはよーございます」

 そう言って、ふらふらと僕の隣の席に着く。


「おはよう。2人は?」

「まだ熟睡中ですね。始めてのハイキングですし、疲れているんでしょう」

 紅茶が3人分テーブルに置かれる。

 先生が椅子に座ったところでふと、僕は昨夜の出来事を思い出した。

 あの火の玉の件。

 そして川俣先輩がここにいる。

 ならば。


「そう言えば昨日の火の玉、先輩は狐火と言っていましたけれど。

 あれは何なんですか」

 と聞いてみたる

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