第32話 眠くなければ気持ちいい朝

 それでも何処かで寝ていたらしい。

 テント生地のカサッという音で目が覚める。


 テントの中はもう明るい。

 音がしたのはテントの反対側。

 先生が起き上がって寝袋?と枕を持って外に出る。


 どうしようかな、と思う。

 でも眠れそうにない。

 眠いのだけれども。

 顔でも洗おうか。

 そう思って音を立てないようゆっくり身を起こし。

 静かにテントの外に出る。


 なかなか気持ちのいい朝だ。

 眠れていればもっと気持ちが良かっただろう。

 そう思いながら寝袋を持って掃き出し窓から部屋に入る。

 寝袋を取り敢えず入った部屋に乾かすようにひっくり返して置く。

 洗面所へ行く途中、階段を先生が下りてきた。


「おはようございます」


「おはよう。早いですね」

 先生はそう言って。

「あ、寝袋は干すので2階へお願いします。扉を開けてありますから」

と付け加えた。


「わかりました」

 と部屋に戻って、寝袋を持って2階へ。

 階段登って右にいき、右の部屋の扉が開いていた。


 8畳位のフローリングの部屋に布団干しみたいな台が2つ並んでいる。

 そのうち1箇所に先生が昨日寝ていた寝袋もどきが干してあった。

 裏返しにして洗濯ばさみで収納袋と一緒に干してある。

 同じように僕が使った寝袋も裏返して干して。


 階段を降りると右側の部屋の扉が開いていた。

 ちょっと中を覗いてみる。

 キッチン&食堂という感じの部屋だった。

 昨日使ったテーブルと同じタイプの大型版と。

 同じくアウトドア用の椅子が何脚か出ている。


「皆さんが起きてくるまで待っていて下さいね。

 今お茶を入れますから」

 先生がキッチンで色々用意をしていた。

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