第34話 疑問解明には至りません
「そう言えば来たみたいですね。害は無いのでそのまま寝てしまいましたけれど」
先生も気づいていたらしい。
「何故害がないってわかるんですか。霊能力でもあるんですか」
「慣れだ」
先輩があっさりそう片付けた。
「取り敢えず今は種明かしはしないが、そのうちわかると思う。心配するな」
中学校というか中学生というのはそんなものなのだろうか。
そんな事をふと思うと。
「ちょっと待っていて下さいね」
先生が立ち上がり部屋の外へ消えて行った。
階段を登る音がして。
なかなか戻ってこない。
「どうしたんでしょうか」
「大丈夫。10分位で戻るよ」
先輩は気にせず紅茶を味わっている。
なので僕も気にしながらニュース専用チャンネルを見ていると。
階段を降りてくる音がした。
先生が顔を出す。
「確かに昨日の狐火は害は無いですけれどね。うちの学校の生徒はあっち関係のトラブルに遭いやすい体質の子が多いんです。竹川さんも栗原さんもそう。
特に栗原さんは普通はとっても強いんですけれね。そっちは弱点だったりします。
だからいざという時用に持っていて下さい。持っているだけで大丈夫です。使い方は必要な時に理解出来るようになっていますから」
茶色い長4封筒を4つ折りしたものを渡される。
「中は確認しないで下さいね。一応パウチもしてあるので封筒の中身は水に濡れても大丈夫です。竹川さんや栗原さんといる時は持っていて下さい。但し彼女達には見せないで下さいね」
いろいろと訳がわからない上に注文が多い。
でもとりあえず受け取る。
しまう場所が無いのでズボンのポケットへ。
それにしても。
「栗原さんが強いってどういう事ですか」
その言葉がちょっと気になった。
「それもそのうち、って奴だな」
「ええ。今は気にしないで大丈夫ですよ」
先生にも先輩にもそう流された。
結局狐火の件もわからないままだし。
何がどうなっているのだろう。
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