第181話 鳥が来ていないけれど鳥山です
夜の釣りは冷蔵庫の容量の関係で中止になった。
朝のすだて漁の成果が多すぎたのが原因だ。
でも、
「新鮮な魚も歯ごたえが良くて美味しいのですけれどね。2日、3日と経つとタンパク質が分解されてうま味が濃くなるんですよ。歯ごたえは落ちてきてねっとりした感じになりますけれどね」
と先生が言うので、そうなった味も楽しみだ。
そんな訳で、風呂等の後は久しぶりに宴会しながらカードゲーム。
まあ例によって勝つ人と負ける人は決まっているのだけれど。
そして早朝の釣りも任意参加になった。
結果、起きて竿を出しているのは僕の他4人だけ。
朗人先輩、文明先輩、美洋さん、彩香さんだ。
美洋さんは何でも参加の勢いで今日も出てきたのだが彩香さんは別の目的。
「夏の間の食費を少しでも浮かせるため、一杯釣って保存食を作る!」
からだそうだ。
ちなみに僕の場合は狩猟本能に負けただけ。
サバの在庫は一応まだあるし。
今日は大分潮が満ちていて、かつ風もあまり無い。
昨日より飛ばないので仕掛けはちょっと短めに。
なお美洋さんと彩香さんは信頼性抜群なサビキ仕掛けを本日も愛用。
投げ用のカゴの下につけている。
そして今日は最初から当たりが多かった。
投げて5分もしないうちにそこそこいい型のアジが釣れた。
彩香さんも美洋さんも2段階でなんてやらなくてもアジが釣れている。
そして3人で5匹程釣ったところで。
「仕掛け巻いて一式持って集合!急げ!」
文明先輩が呼んでいる。
何だろう。
急いで仕掛けを巻いて走って行くと。
「あのさざ波が立っている一帯があるだろう。仕掛けが絡んでもいい位のつもりであの辺狙え」
確かに40メートル位先、割と近いところに妙なさざ波が立っていた。
朗人先輩も含め、全員でそこを狙う。
「あれは小魚の群れが大きい魚の群れに襲われている状態なんだ。だからあの下に大きい魚の群れがいる。チャンスなんだ」
取り敢えず全員無事に仕掛けを入れて。
ほぼ即時にウキが沈む。
リールを巻くと、重い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます