第112話 今度の監督者は代行です

「遊ぶぞ!」

 川俣先輩が宣言した。


「賛成の賛成なのです!」  

 未亜さんが真っ先に賛意を示して。


「そうですね、テストも終わりましたから」

「ずっと天気も悪かったですし」

 と美洋さんと彩香さんも賛成。


 しかし。

「ごめんなさい。前に言った通り、この3連休は別件があって」

 と草津先生。

 つまり車とか調理場とかお泊まり施設は使えないという事だ。


 しかし。

「大丈夫だ、策はある」

 川俣先輩は強気だ。


「草津先生、例の件、頼んでおいて貰えましたよね」

「ええ。七橋先生もも乗り気でしたよ」

「ありがとうございます。という訳でこれだ」


 川俣先輩はパソコンを操作する。

 部屋の端にあるレーザープリンターが唸りだした。


「今週土曜日の活動予定だ。もう七橋先生には渡してある」


 ぱっと内容を見る。

 活動内容は『自然への感謝と食材採取及び調理』

 内容は食べられる野草採取と釣りと料理。

 調理場所及び試食場所は学園内セミナーハウスのキッチン及び食堂。

 そんな感じで記載されている。


「いつの間にやったのですか」

「月曜に先生に今週末は予定ありと聞いてさ。頼めそうな先生に頼んでみた」


 抜け目がないというか先走りというか。

 でもまあ、この野外滑動部の部長は川俣先輩だし。

 全員寮員だから3連休が暇なのも簡単に想像つくし。

 ただ僕が気になる点がひとつ。


「七橋先生ってどんな先生なんですか」


 確か2年の担任で家庭科の先生だったよな。

 家庭科の授業が無い僕には接点が無い先生だ。


「いい先生ですよ。良くも悪くもおっとりしている感じで」

「温和でのんびりした感じの先生なのですよ」

 彩香さんと未亜さんによれば問題無さそうだ。

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