第199話 保存場所は何処がいい?

 今日はスマとソウダカツオの『カツオのたたき』が朝食のメイン。

 その後は朝の釣果を皆で加工の時間だ。

 燻製したりツナ缶風作ったりなまり節風作ったり。


「冷凍庫も残り容量少ないな。これでも700リットルクラスなんだけどさ」


「あとはすだてで終わりだね、きっと」


「買いだめと借りてきたの会わせても、大型タッパーが残り5個しかない」

 大型タッパーは深草うちだけでも20個用意したのだけれど。

 ちなみに10個ほどは七橋先生からの借り物だ。


「干物とかラップで済むもの中心かな、残りは」


「ジップロックも最後の2箱なのです」

 豪快に備蓄を作った結果、そんな感じになったようだ。


「オリーブオイル、このツナ缶風味で残り1本だな」


「塩が最後の1袋なのですよ」


「醤油は残り500ミリ」

 調味料もそろそろ限界に近づいた模様だ。


「それでも今日でそのくらいなら、ちょうどいい位の買い出しだったんですね」


「確かにそうですね」


「でもそろそろ肉食いたいです」


 まあそうだな。

 僕もそう思うし。


 そんなこんなしている間にキッチンでの調理・加工作業は一段落。

 乾燥させるなまりを持って干物部屋へ移動する。


 干物部屋とその隣では燻製の様子を見ながら皆でだべっていた。

 なのでキッチン組も合流して、燻製の様子を見ながらのんびり話をする。


「秋津は車でちょい行ったところに恒例の焼き肉屋があるんです。新人歓迎とか買い出しで街に出た帰りとかはたまーに寄ったりするんです」


「まあ全国チェーンのおなじみ『スタミナ三郎』なのですけれどね」

 雅先輩と佳奈美先輩がそんな事を話す。


「あ、でも帰ったら行きたいな、『スタミナ三郎』。野菜とお肉を思いっきり良くがんがん食べたい」


「でもお土産だけで8月の半分はきっと食べつなげるぜ、少なくともタンパク質は」

 これは朋美先輩と文明先輩。


 そんな事を言いながら、それでも燻製とか干物干しとかやっている。


「でも秋津はこの冷蔵庫があるからいいけれどさ、深草はこのお土産、しまう場所大丈夫かな」


 朗人先輩がそう一言。

 そう言われると、確かにちょっと多いような……


「各自部屋の冷蔵庫に入れられるだけ持ち帰って、先生の部屋の冷蔵庫に入れて、あとはどうしましょうか」


「準備室の薬品用冷蔵庫はそんなに空き無いですしね。うちの家の冷蔵庫には多分全部入ると思いますけれど、出し入れが大変ですよ。私が学校に来る日に連絡して貰わないと」


「いっそ寮の私の部屋を冷凍しましょうか。マイナス1度程度なら、1日3回くらい頑張って魔法をかければ何とか」


「それ彩香が住むスペース無くなるじゃ無いのですか」

 なんて話していたら。


「連絡ついた。明日12時、学校の家庭科室にある大冷蔵庫を開けてくれるそうだ」

 川俣先輩がそんな事を言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る